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稼働日数からの売上高

私 :「社長、お盆の稼ぎ時、良くみなさん頑張られましたね。」

 

社長:「そうだよ。熱い中、良く頑張ってくれた。」

 

私 :「売上目標は達成できましたか。」

 

社長:「計画どおりの売上は確保でき、良かったよ。」

 

私 :「それでは、これから社員は順次連休に入られるのですか。」

 

社長:「休めるのは、一部の若い社員だけになるな。」

 

中小企業の場合、社員の希望どおり連続して会社を休むことは難しい。それは、社員数が少なく休みのローテーションが組みにくい、一人の人が特化した仕事をしているので、その人が休むと業務に支障がでる、そして一番難しい要因は、休んだ日数分の売上と利益が減ることである。

 

例えば、月商7,800千円の店舗で、毎週火曜日が定休日の場合、1ヶ月が30日だとすると、稼働日数は26日となり、1日の売上高は7,800千円÷26日=300千円となる。

 

ここに定休日の火曜日の後に続けて、水曜日と木曜日の2日間を休みにした
場合、当然に2日分の売上高600千円が減る。
つまり、その月の売上高は7,200千円となる。

 

しかし、売上高が減っても社員の人件費や家賃等の固定費は減らないため、利益は減り、資金も減る。これでは、その月の経営は厳しい。よって、経営者は休まないで店舗を開けようとする。

 

また、その一方でお客様が来てくれた時に、店舗が閉まっていては申し訳ないという気持ちから開けている場合もあるが、社員の希望どおりに休めないことは変わりない。

 

そこで、社員に対してたまの休みを与えることと、最低限の売上高を確保することを、どのようにして両立させるかが課題となる。

 

そのひとつは、年間の必要売上高を年間の稼働日数で割り、その1日の売上高をその月の稼働日数をかける方法である。その為には、会社に年間の出勤カレンダーが必要となる。期首に、いつが休みなのかをあらかじめ決めて、1ヵ月・年間の稼働日数が決まっている。

 

もうひとつは、月毎の売上高は一定にし、1日の売上高を変動させる。休みが多く稼働日数が少ない月は、1日の必要売上高を上げる方法である。先程の例で言えば、7,800千円÷24日=325千円を毎日追いかけ、連休がない月より1日の売上高が25千円上乗せされている。

 

このように、日々の必要売上高の根拠を数字で示すことにより、社員は与えられた売上高に納得して業務に取り組むことができ、売上高と休みのバランスを考えられる。

 

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この記事の著者

  • 野上 智之

    公立大学法人北九州市立大学卒業、大手システム会社を経て、教育研修会社での新規部門立上げや西日本責任者としての実践により、収支損益の黒字化と人財育成がなければ、企業は元気にならないという強い信念のもと中小企業に特化した経営コンサルタントに転身。現在も10社を担当し各地でセミナーや研修を実施したり、地域金融機関との連携を実施。行政書士試験合格、宅地建物取引士、動産評価アドバイザー(TAA)、中小企業庁ミラサポ専門派遣登録専門家、プッシュ型事業承継支援高度化事業登録専門家(中小企業庁)、再生支援ネットワーク会議メンバー(広島)

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