月次試算表の実績精度を上げると見えてくる数字がある!
日本の会計期間は1年間です。税務署が税金計算するために、そうなっています。1年間分をまとめて損益計算して、税金計算しても、税務署は困りません。納税金額がわかれば良いですので。
ただし、企業側は、まとめて1年分を損益計算していては、12ヶ月間経たないと、その会計期間の損益状況がわかりません。ですので、月々、試算表を作ります。
この月次試算表ですが、「試算」というくらいですので、いろいろな作り方があります。
現預金の入出金時に、売上・仕入等を計上する「現金主義」
現預金の取引とは別に売掛金・買掛金等を計上する「発生主義」
あなたの会社は「何主義」でしょうか?月次試算表を作成するにあたっての目指すべき順序としては、大まかに
現金主義
↓
発生主義
↓
原価管理
↓
部門別管理
と、いった具合になります。しかも、これに加えてタイムリーでなければなりません。データには鮮度が必要です。
そして、予算を設けて、予実管理や、差異分析につなげていきます。こうした流れを、毎月、繰り返していきます。(自計化までできると、尚、良いですね)ここまでいったら、今一度、振り返ってみてください。月次試算表の実績の精度はどうでしょうか?
売掛金と買掛金は計上されているけど、在庫(概算可)が計上されていないとか、社会保険料が未払計上されていないとか、部門別の区分が明確になっていないとか、まだまだ精度が上げられることがあると思います。
ここの精度を上げることで、見えてくる数字があります。部門別を的確に区分することで、思ってもみなかったことがわかるかもしれません。
逆に言うと、この実績が正しいものでなければ、財務分析したところで、正しい指標を導くことはできません。一旦、振り返って、実績の重要性を、再確認してみてはいかがでしょうか?
執筆:坂将典