リスケジュールの期限の考え方
リスケジュール、できれば企業側が返済再開と言うまで、ずっとやっておきたいものです。しかしリスケジュールにおいては、期限が設定され、それは6ヶ月や1年となります。
では、なぜリスケジュールの期限が設定されるのでしょうか。リスケジュールは、銀行と企業との間で交わされる、返済をどう行っていくかという契約、これを変更することを意味します。
企業がリスケジュールを銀行に申込み、承諾されたら、銀行と企業との間で「返済条件変更契約書」を交わします。
そこには、
- 返済条件はどのように変更するか。
- 返済金額の減額の期限はいつまでか。
ということが記載されます。銀行は、ほとんどの場合、その期限を6ヶ月や1年後に設定するようにします。そこで多くの経営者は、「6ヶ月や1年後、返済は元通り、再開しなければならないのか。」と思いがちです。
しかし、実際はそうではありません。そのリスケジュールの期限は、次のリスケジュール交渉にあたっての区切り、と考えてください。例えば、次のように考えてみてください。
リスケジュールの期限が5年や10年と設定されたとすると、もし企業が経営改善により利益を出せるようになり、返済を一部再開できるような状態になったとしても、銀行としては5年や10年間ずっと、企業に対し返済金額を増額してもらいたいと言えなくなります。
そのため銀行は、リスケジュールの期限を、6ヶ月や1年など短く区切るのです。
企業としては、リスケジュールの期限の2ヶ月前あたりから、次のリスケジュールはどうしてほしいのか、経営改善状況や資金繰り状況などを見て検討し、銀行と交渉していくようにします。
リスケジュールは、企業側が依頼するものであり、リスケジュールの更新時においてもそれは同様です。企業側から銀行に働きかけていかねばなりません。
例えば、まだ黒字化していないからリスケジュールは今まで通り続けてほしい。
例えば、経営改善により利益が上がってきたから返済金額を毎月10万円アップ できる。
このように、企業がどれだけ業績を回復しているかにより、返済をアップしていけるのか否か、またどれだけアップできるのかを考えて、銀行に対し交渉していくのです。
リスケジュールは、期限ごとにこれを繰り返していきます。
リスケジュールにあたって銀行と交わす返済条件変更契約書に記載される、リスジュールの期限は、リスケジュール交渉にあたっての区切りと考えてください。
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