現金の流れ「キャッシュフロー」とは
キャッシュフローで言うキャッシュとは、現金、普通・当座預金を指します。定期預金はすぐに解約できないケースが多いでしょうから、ここでは分けて考えてください。有価証券ですぐに換金可能なものはキャッシュとする場合もあります。
キャッシュ(現金)のフロー(流れ)であるキャッシュフローとは
● キャッシュイン(現金の入)ー キャッシュアウト(現金の出)
で残った現金残高であります。
キャッシュフロー計算は
1.営業キャッシュフロー
2.投資キャッシュフロー
3.財務キャッシュフロー
これら3つに分けてキャッシュの増減を分類したうえでお金の流れを把握したものがキャッシュフロー計算書というものです。
たとえば、借入で現(預)金が増えると、上記の3番目にあります「財務キャッシュフロー」に仕分けされますが、あくまでも「儲け」で得ることができる「営業キャッシュフロー」でキャッシュインがキャッシュアウトを上回ることを目指していく必要があります。
損益改善についてはすでに手を打っている、ということを、私が日々行っている面談でもよく耳にしますが、前年比で売上は大幅に伸びない、または下がったとしても、営業キャッシュフローの改善余地は大いにあるケースが事実多いのです。
もっとも、損益改善において、原価管理はまだまだ甘いというケースがほとんどですが、営業キャッシュフローの改善については、各種資料を交えお話させていただく面談で、より具体的にご指摘することができますので、お客様にご納得いただくケースは多々あります。
ちなみにキャッシュフロー計算は
A:現金取引ごとに集計する「直接法」
B:従来の決算書から算出する「間接法」
の2通りありますが、キャッシュフロー計算書の詳しい説明は省き、ここではキャッシュフローとは何か?に絞って説明いたします。
そこで、参考にキャッシュフロー計算の例を挙げてみましょう。※金額は百万円
1.営業キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュイン(現金の入) 420
仕入先へのキャッシュアウト(現金の出) △545
2.投資キャッシュフロー
設備購入によるキャッシュアウト(現金の出) △100
資産売却によるキャッシュイン(現金の入) 20
3.財務キャッシュフロー
運転資金借入によるキャッシュイン(現金の入) 500
借入返済によるキャッシュアウト(現金の出) △ 30
差 引 265
上記の計算式では、営業キャッシュフローはマイナスで、運転資金借入で資金繰りはまわっている状態です。
借入できるならまだしも、借入できなければ資金繰りはまわらず倒産となりますから、営業キャッシュフローの改善をどのようにしていくかが存続のためのカギとなりますが、営業キャッシュフローとは以下の公式の合計を指します。
●税引後利益+減価償却±債権債務残高
債権債務残高が上記の表のように、キャッシュインよりキャッシュアウトのほうが多い場合、
- 売掛金の早期回収できないか?
- 棚卸資産(在庫)は適正なのか?
この辺に改善余地があり実行できれば、営業キャッシュフローは当然良くなっていきます。2番目の投資キャッシュフローではどうでしょう?店舗をお持ちであれば、赤字を垂れ流している不採算店舗からの撤退または売却によりキャッシュアウトを減らすことができます。
また不要な固定資産があれば、それ(ら)を売却し「身軽な経営」を目指せないか?
売却損を出せば税金支出で相殺できるのですから、キャッシュインとして入ってくるキャッシュフローの観点から一考して頂ければと思います。
3番目の財務キャッシュフローをみますと、固定資産の売却で得たキャッシュを長期借入金の返済に充てれば金利負担は減ります。上記の表では、借入を起こしたため「プラス」になっていますが財務キャッシュフローは借入返済をしていき「マイナス」の状態にしておくことが理想です。