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融資を受けたいという情熱の伝え方

銀行にはどのような資料を提出するか

 融資を受けている企業が銀行に提出する資料は、以下のものがあります。

 

 1.必ず銀行に提出しなければならないもの

  ・決算書(勘定科目明細まで含めて)

 2.場合によって提出しなければならないもの

  ・試算表

  ・資金繰り表

 3.提出することにより自社をアピールできるもの

  ・会社案内

  ・商品・サービスの説明書

  ・事業計画書

決算書

で決算書は、融資審査の8割のウェートを占めるものです。また銀行は、必ず勘定科目の明細まで要求してきます。勘定科目明細は、決算書の中で、実態の資産価値を評価するために使われます。

試算表

試算表は、前期決算から3ヶ月以上、経過している場合に要求されます。決算書は1年に1回しか作られないものであり、決算書が作成されてから時間が経つと、その企業の最新の業績は分かりにくくなりますが、試算表により最新の業績が分かれば、銀行は融資審査を行いやすくなります。

資金繰り表

資金繰り表は、特に運転資金の融資を受けたいとき、それを銀行に提出することによって、なぜ運転資金が必要なのかが分かりやすくなるため、銀行に融資が必要であることを説得する材料の一つとなります。

 

資金繰り表を作っていない企業は多いですが、定期的に融資を受けたい企業であれば、銀行からいずれ提出を要求されるものです。日頃から作っておくとよいでしょう。

銀行にアピールする資料

また、銀行から提出を要求されることは少ないですが、これを銀行に提出すれば、融資審査においてアピール材料となるものがあります。

 

それが、会社案内、商品・サービスの説明書、事業計画書、です。

会社案内、商品・サービスの説明書

会社案内や商品・サービスの説明書は、銀行に、自社のことを分かってもらう資料です。

 

銀行は審査の時、その企業のことを詳しく知ろうとします。会社案内や商品・サービスの説明書がないと、その企業はどのようにして売上・利益を得ているか分かりにくいため、銀行内では、稟議書に書かれた担当銀行員の言葉でしかそれを知ることができません。

 

例えば、稟議書には「建築材料の卸」としか書かれていなければ、審査をする銀行員としては、「この建築不況の中、建築材料の卸の企業は、この先が見えないだろう」という見方をされがちですが、もし最新技術の建築材料を開発して卸しているのであれば、その商品を詳しく説明し、なぜこの商品がこれから伸びていくのか、商品の説明書を作って銀行に提出することによって、銀行にアピールすることができるのです。

 

また、商品・サービスの説明書とともに、販売先別のここ数年の売上高推移と、販売先別の今後の売上見込も資料として用意しておくと、銀行は、「この商品は、販路をしっかり確保できているな。また今後も、販路は確保できていて、売上は安定しそうだ。」という見方をし、融資審査は有利になります。

事業計画書

銀行の融資審査の見方のポイントは、第一に「この融資を出したら、最後まで返済してもらえそうか。」です。最後まで返済してもらえそうかどうか、銀行は第一に決算書を見ますが、ただ決算書は過去の数字であり、将来の返済の見通しを銀行に見せるためには、事業計画書が、何よりも良い資料です。

 

事業計画書には、まず将来、3~5年先までの、損益計画を書きます。年次の計画とともに、各年の月次の計画も書きます。

 

計画では、数字を第一に、そしてその数字をどうやって作るか、その根拠も書きます。将来、3~5年の数字と、その根拠を書けば、十分立派な事業計画書ができあがります。

 

専門家が作るような高い完成度の事業計画書を作る必要はありません。それよりも、経営者の熱意が伝わる事業計画書の方が、高く評価されます。

銀行から融資を引き出す情熱の伝え方

私のところへ、多くの企業から、「銀行から融資を受けたいが、どのようにしたらよいか。」というご相談をいただきます。このような相談をする経営者の方の中には、「何か、とっておきの裏ワザがあるのだろう。」ということを期待している経営者の方も、中にはいらっしゃいます。

 

しかし、元銀行員として、銀行員時代に1,000件程度の融資の稟議書を書いたり、融資審査を行ったりしていた私の経験からすると、そのような裏ワザ的なことで融資を受けられた企業は、1社もありませんでした。

 

しかし、銀行にアピールする資料を作り込んで、融資を受けられるようにした企業は、たくさんありました。

 

銀行の言われるがままに決算書や試算表を提出するだけでなく、資金繰り表を自主的に作って提出し、また会社案内や商品・サービスの説明書、そして事業計画書を、積極的に用意して銀行に提出すれば、それだけ融資審査に有利になります。

 

ここで抑えておかなければならないことは、融資を申込むとき、銀行の担当者に口頭で自社をアピールしても、銀行の融資審査は稟議制度、つまり融資審査の書類が作られてそれが回覧されて審査されるものであるため、自社のアピールが銀行の上層部まで伝わらない、ということです。

 

融資審査は、支店長や、本部の審査部長で決裁されるものですが、そこに対しては、資料でしか、自社をアピールすることはできません。

 

自社をアピールするには、口頭ではダメです。必ず資料にしてアピールしなければ、意味がないのです。

 

何百万円、何千万円もの融資を受けるのです。融資を受けたい、そのために自社をアピールしたい、その情熱を、口頭ではなく書面で伝えてください。

 

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