社長が営業ができない会社
社長が営業ができない会社のパターン
社長が、営業ができない会社があります。それには、次の2つのパターンがあります。
- 創業社長でなく後継社長であり、後を継ぐまでに営業をやった経験がなく、売上を上げていくためには営業を行っていかなければならないと分かりながら、どうしたらよいのか困っている。
- 創業社長で、創業当初から得意先に恵まれていて、売上は当初から上がっていたが、その得意先への販売が年々減少し、売上に困ってきている。
1の場合、具体的な例としては次のとおりです。
- 製造業で、仕事のほとんどは3社からもらっている。その体制はここ20年続いている。現在の社長が後を継いで15年たつが、その間に新規得意先はなく、その3社からの受注も落ちてきている。
- 親族ではないが、前社長に見込まれ自分は社長になった。しかし自分は技術畑であり、営業はやったことなく、売上も落ちてきていて困っている。
2の場合、具体的な例としては次のとおりです。
- 創業した時、前職での得意先を多く引継ぎ、その売上がはじめからあったが、その得意先への売上が年々少なくなってきている。
- 建設業で、昔は公共工事の入札で多くの受注がとれていたが、公共工事の減少により売上がどんどん少なくなっている。
社長が営業ができない会社は、後継社長が社長をやっている会社に多く見られるのですが、一方、この例のように創業社長でも、社長が営業ができない会社もあります。
自分の会社が営業できるようにしていくには
では、このような会社の売上がどんどん落ちてきた場合、どのようなことが起こるでしょうか。売上が落ちてきている以上、経費削減は当然行うとして、売上の減少に歯止めをかけなければなりません。
そのため、どの社長も、
「うちの会社、営業をやっていかなければならない。」
と考えます。
また、社長が営業を行わない会社のほとんどは、社内にも営業を行う人がいない、という特徴が見られます。そのため、売上がどんどん落ちていっている会社の社長は、まずは何もないところから、営業をどう行っていくか、考えていくことになります。
その場合、考え方としては次の3通りがあります。
1.社長自ら営業をはじめる。
2.社内で営業を行えそうな人を見つけ、営業を行わせる。
3.外から、営業ができそうな人を採用する。
この3つの考え方、とるべきはどの考え方でしょう。この中で、うまくいきやすい順番に並べると、1>2>3となります。その理由を考えてみます。
(1)自社の製品・商品・サービス・技術への熟知
まず、営業を行う人は、自社の製品・商品やサービス、技術などに熟知している方が、ずっと営業に有利になります。そこから考えると、熟知している順に1>2>3となるでしょう。
(2)営業のやり方
社長が営業をやったことがなければ、社長は営業のやり方が分からないかもしれません。しかし、営業のやり方は「習う」というよりも「開発する」という考え方をもった方がよいです。
営業に関する本はたくさん市販されていますので、そのような本で勉強して営業のやり方の基礎は付けながら、多くの実践を行って試行錯誤していくことによって、自社の営業のやり方は開発されていくものです。売上が落ちていっている会社において、なぜそうなってしまうのか。それは、今までに自社の営業のやり方が開発されてこなかったからです。
また営業のやり方の開発は、社長が先頭に立って行うべきです。
社長が営業もできないのに、外から営業マンを採用しても、自社の営業のやり方が全く確立されていないのに、やりようがないでしょう。そもそもそれができる人、つまり全く営業をやっていない会社に入社してその会社の営業のやり方を確立し売上を上げていくことができる営業マンであれば、自分で会社を立ち上げることでしょう。
営業が全くない会社であれば、まずは社長自ら、営業を行っていくべき
社長自ら営業を行う まとめますと、営業が全くなく、売上がどんどん落ちてきている会社は、何よりも営業をやっていかなければならず、誰がやるべきかというと、まずは社長自らがやっていくべき、ということになります。
私が見てきた会社の中で、社長が営業ができない、社長が売上の上げ方を知らないのに、売上が向上している会社を見たことがありません。今まで営業をやったことがない社長が、営業を行おうとすることは、確かに不安でしょう。どうやっていってよいか分からないのでしょう。
しかし、そんなことを言っていては、ますます自分の会社の売上は落ちていってしまうことになります。営業は「習う」よりも「開発する」です。まずは1歩、踏み込んでください。