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銀行融資における決算書・担保・保証人の位置づけ

融資審査の優先順位

決算書、担保、保証人、これらは、銀行が融資審査を行うにおいて、銀行が審査材料として検討することです。これらの項目は、融資審査において、どのように見られるのでしょうか。

 

審査における優先順位としては、

 

1.決算書

2.担保

3.保証人

 

という順番となります。

融資審査は決算書が8割

融資審査は、決算書で8割が決まります。決算書には、貸借対照表と損益計算書とがありますが、貸借対照表で、銀行員が何よりも目がいくところは、純資産、です。

 

純資産は、プラスであることが必須。マイナスであれば、債務超過と言われ、融資は困難となります。また純資産がプラスでも、資産の部の各勘定科目にて資産価値のないものがあり、実質の資産で見て、純資産がマイナスとなれば実質債務超過と見られ、融資は困難となります。

 

例えば、純資産が+5百万円あり、一方で資産の部の売掛金が50百万円
あり、そのうち20百万円が不良資産で、資産価値のある売掛金が30百万円
あるのであれば、純資産は

 

+5百万円-20百万円=△15百万円

 

となり、実質債務超過ということになります。次に、損益計算書で、銀行員が目がいくところは、営業利益・経常利益です。当期純利益ではありません。当期純利益は、その期だけの利益・損失である特別利益・特別損失に左右されやすく、銀行の見方としては、参考程度にとどまります。

 

営業利益・経常利益、いずれかがマイナスであると、融資は受けにくくなります。このように、融資審査においては、決算書が8割のウェートをしめます。

融資審査における担保の位置づけ

その次に、融資審査において見られるのが、担保、です。ただ、決算書の内容が良ければ、担保は重視されません。無担保でも、十分に融資を受けることができます。

 

決算書の内容が芳しくない時に、融資審査の補完の材料とされるのが、担保ということになります。逆に、決算書の内容が悪ければ、担保があっても、融資を受けることは困難になります。

 

あくまで、担保は補完的なものです。

 

なぜなら、もし貸倒れとなってしまったら、不動産が担保に入っていれば、その不動産を競売することになりますが、銀行が見ていた金額では売れず、貸倒れ金額を満たすことができないかもしれないですし、そもそも担保の競売手続きは、銀行にとっては事務負担が大きくなってしまうからです。

 

融資審査において、担保は決算書を補完するものでありますが、決算書の内容が悪ければ、担保だけで融資を受けることは困難です。担保だけで融資を受けたいのであれば、不動産担保専門のノンバンクを考えるべきです。

融資審査において保証人はどうなのか

そして、保証人は、融資審査においてはあくまで参考程度にしか見られません。銀行融資において、多くのケースでは、会社の代表者1名のみが保証人になることでしょう。

 

なぜ代表者が保証人になるのか。貸倒れになった場合に備えてその代表者の資産をあてにするというよりも、代表者を保証人とすることにより、融資の返済の責任を代表者に持たせる、という意味合いの方が強いです。

 

代表者の他に、いくら資産を持っている保証人がついたとしても、もし貸倒れとなった場合、保証人の資産もなくなっていることが多いですし、また保証人は他の銀行でも保証人となっていることが多いので、貸倒れとなった場合でも、その保証人の資産で完全に補てんされるとは限らないからです。

 

こういったことから、融資審査において、保証人はあくまで、参考程度にしか見られません。以上述べたように、融資審査において、審査の優先順位としては、

 

1.決算書

2.担保

3.保証人

 

という順番になります。決算書の内容が悪ければ、いくら担保があっても、いくら保証人がいても、融資は受けられないのが、銀行の融資です。

 

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