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新規銀行が低金利で融資借換えを提案してきた

金利を低くした融資借換え提案

融資を普通に受けられる企業が時々遭遇するのが、新規銀行から、金利を低くするから別の銀行の融資の借換えをしてみないか、と提案される場面です。

 

例えば、次のような借入状況の企業があったとします。

 

A銀行 借入4,000万円 金利2.8%
B銀行 借入3,000万円 金利2.2%
C銀行 借入1,200万円 金利1.9%

 

単純化するため、各銀行からは1本ずつの融資、そしていずれもプロパーの融資を受けているものとします。このような状況で、新規のD銀行が、「今、金利キャンペーンをやっている。A銀行の融資4,000万円を借換えし、融資5,000万円を1.5%で受けないか。」と、提案してきたとします。

 

この場合、D銀行の提案どおり、A銀行からの融資4,000万円は全て借り換えて、D銀行から借りてもよいのか、というのが今回のテーマです。この場合、メイン銀行は最も多く融資を受けている銀行、と言葉の定義をしたとすると、メイン銀行はA銀行です。金利は多少高くとも、A銀行は長年、自社へ積極的に融資をしてくれた銀行だとします。

 

この場合、D銀行で5,000万円、融資を受けてA銀行からの融資4,000万円を全て返済するとします。そうすると、A銀行は当然、良い思いはしません。A銀行としては、長年の付き合いはなんだったのか、という感情をいだいて
しまいます。そして、A銀行は、二度と融資をしてくれなくなってしまう可能性が、高いでしょう。

 

A銀行から、もう融資を受けなくてもかまわない、というのでしたら、D銀行で融資を受けて全額A銀行に返済してしまってもよいのですが、そうでなければ、このような選択をしてはなりません。

新規銀行からの融資提案を生かす方法

しかし、D銀行の金利1.5%は魅力的ですよね。

 

この場合、良いやり方としては、D銀行からまず、融資の提案書をもらうことです。その提案書には、融資金額5,000万円、金利1.5%、と記載されることでしょう。そして、その提案書をもって、A銀行に話をするのです。

 

D銀行からの提案書を見せながら、A銀行の人に対し、

 

「D銀行から、金利1.5%の提案をもらってます。A銀行からの融資全てを借換えてはどうか、という提案です。しかしA銀行には、長年お世話になっているから、D銀行で借り換えるつもりはありません。しかし、D銀行の金利1.5%に比べ、今のA銀行の融資金利2.8%は、高すぎのように感じます。もう少しなんとかならないものでしょうか。」

 

と話をします。こういう話をすると、A銀行としては多少なりとも危機感(他の銀行から低い金利の融資提案がきていて、自分の銀行はのんびりかまえてられないという危機感)を抱き、金利を、1.5%までいかなくともある程度までは引き下げてくれることが期待できます。

 

しかし、A銀行へのこのような話し方は、ソフト路線です。

 

ハード路線の言い方はこちらです。

 

「D銀行から、金利1.5%の提案をもらってます。A銀行からの融資全てを借換えてはどうか、という提案です。A銀行には長年お世話になってますが、ただA銀行の融資金利2.8%は、D銀行に比べてあまりにも差がありすぎます。金利引き下げを考えてくれないと、D銀行の提案を考えざるをえません。」

 

ここまで言うと、A銀行はあわてて、上記のソフト路線の言い方よりも金利を引き下げてくれる可能性が高くなります。また引き下げ幅も、ソフト路線の言い方より大きくしてくれる可能性が高くなります。実際にこのような場面になったら、ソフト路線、ハード路線、どちらでいくか、A銀行との今後のつきあいをどうしていきたいかをふまえた上で、考えてみてください。

 

そして、A銀行が融資金利を引き下げてくれたとします。

 

一方で、せっかく提案をくれたD銀行をどうするか、考えなければなりません。この場合、D銀行からは、1,000万円でも2,000万円でも、融資を受けておいた方がよいです。借換えすることが条件でなくても5,000万円そのまま借入できるなら、借りてもよいですが、それだけ借りる必要がなければ、今後のD銀行とのつきあいをしていくことを考え、実績作りのため、1,000万円や2,000万円程度、借りておくのです。

 

そうすれば、取引銀行を増やすことができます。

 

1.リスク分散の観点から、融資を受ける銀行の選択肢を多く持っておいた方がよいこと。

2.取引銀行の数が多いほど、銀行間の競争が働き金利が下がりやすくなること。

 

この理由で、取引銀行を増やす機会があれば、増やしておくことです。このようにして、新規銀行の提案を利用して、銀行取引の状況を良くしていってください。

 

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