営業を行わなくても受注できた会社
「待ちの営業」の末路
営業を行わなくても、受注できた会社があります。例えば、次のような会社です。
(例1)
建設業。昔は公共工事を中心に、多くの受注がとれていたので、営業マンといっても、受注できた案件を進行していく業務ばかりだった。しかし、公共工事が年々受注が減少していっている現在、売上の減少に、人員削減を中心に経費削減してきたが、それも限界にきている。
(例2)
製造業。大手メーカー数社に対しての売上依存度が高かった。特定の大手メーカーから受注を多く獲得できていたので、営業マンといっても、その大手メーカーからの受注対応の仕事ばかり。しかし、大手メーカーからの下請け切りにあい、売上は大きく減少し、一気に赤字となってしまった。
この例のように、営業を行わなくても、受注ができた会社。つまり、
待ちの営業
が中心の会社は、今まで受注してきた得意先からの受注が減少したとたん、、何もなすすべがなく売上が減少していってしまうことになります。
営業しなくても受注ができた会社がやってこなかったこと
このような会社が、今までやってこなかったこと、それは「会社としての営業力の強化」です。
黙っていても受注がまいこんでくる会社は、その間、どうしても危機感は薄くなります。また、そのような会社の営業マンの日々の業務は、受注した案件の進行業務が中心となります。そちらに気をとられ、「真の営業の仕事」ができなくなります。
そうしていくうちに「真の営業の力」がなくなっていきます。
真の営業の力とは、
・何もないところから新規見込み客を開拓する。
・新規見込み客に取引してもらい、顧客化する。
・既存客に何回も何回も取引してもらうようにする。
これができる力のことを言います。
あなたの会社が、営業マンがいる会社であれば、もしくは社長自身が営業マンであれば、今日、どれだけ新規見込み客の開拓をしたか、どれだけ新規見込み客に取引してもらうため行動をしたか、どれだけ既存客に再び取引してもらうように行動したか、振り返ってみてください。
1日や1週間、1ヶ月で、この行動にどれだけの時間を使ったか、記録をとってみてもよいでしょう。営業マンに、その行動の時間がわずかしかないのであれば、営業マンが真の営業活動を行っていないことになります。
それを放置しておくと、会社としての営業の力は、どんどん弱体化してしまうことになります。しかし、待ちの営業で受注できていれば、その弱体化に気付きません。待ちの営業で受注がどんどん減少し、そこでやっと、気付くことになります。会社として営業の力を高めるための対策を、今までとってこなかったことを。
売上を上げることができる経営者がやっていること
では、こういう会社は、毎年毎年売上が下がっていっていることを、経費削減で、しのいでいくしかないのでしょうか。経費削減は、どんな企業でも行えることです。支出を減らすことは、今まで出ていったものを出ないようにすることなので、行いやすいですよね。
どんな企業でも、経費削減は行います。
しかし、収入を増やす、つまり売上を大きくすることは、どうでしょうか。これを行おうとする企業は、実際、なかなかありません。
自分が創業して年々売上を上げてきた経営者や、売上を上げる方法を分かっており年々売上を上げていっている経営者を除き、どうやって売上を上げていったらよいのか、経営者も分からないのです。売上を上げることができる経営者は、そのやり方が分かっております。
売上を上げることができる経営者は、売上を上げるには戦略が大切だと言い、売上を上げることができない経営者は、目先のテクニック、戦術ばかりに追われてしまっています。
売上を上げることができる経営者は、売上を上げるには仕組みを構築することが大切であることが分かっており、地道に仕組みを構築していっていますが、売上を上げることができない経営者は、即効性ばかりもとめ、仕組みを構築することは即効性がないと、嫌います。
売上を上げることができず、年々売上が下がっていってしまっている企業は、企業の中を全て変えてしまうぐらい、抜本的な改革を行う必要があります。営業の力が弱体化してしまっている企業は、180度の変化を、営業マンに求めます。
ただ、「変われ」と言って変わるものではなく、経営者がリーダーシップをとって、変えていきます。その決意ができれば、あとは売上が上がる仕組みをどう構築するかです。