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インバウンドマーケティングとプル型マーケティングの違い

インバウンドマーケティングとは

「インバウンドマーケティング」という本を弊社で翻訳して出版しましたが、その本を読んでいただいた経営者や、企業のマーケティング担当者の方などから、「自分の会社でこの本の内容をどう活かしていったらよいのか。」というお問合せをいただいております。そもそも、この本の題名になったインバウンドマーケティングというのは、

 

  • 今まで日本では、ほとんどの企業で使われてこなかったマーケティング
  • インバウンドマーケティングを取り入れ、実践する企業は、他の企業に大きな差をつけることができるマーケティング

 

というマーケティングの考え方であり、その考え方を弊社が日本に紹介できたことによって、これから日本企業のマーケティングの考え方が変わっていくのではないか、と私は思っております。

 

インバウンドマーケティングのポイントには、次の3つがあります。

 

  1. 売り込まない
  2. 見つけてもらう
  3. コミュニケーションする

 

インバウンドマーケティングの対局にあるマーケティングは、アウトバウンドマーケティングです。アウトバウンドマーケティングとインバウンドマーケティングの違いは、次のとおりです。

 

アウトバウンドマーケティング

 

1.企業から消費者に売り込む
2.企業から消費者に一方的に送りつける
3.企業から消費者への情報は一方通行

 

インバウンドマーケティング

 

1.企業から消費者に売り込まない
2.企業が消費者に見つけてもらう
3.企業と消費者がコミュニケーションする

 

アウトバウンドマーケティングには、次のようなものがあります。

テレビ・ラジオ広告、新聞・雑誌広告、ホームページのバナー広告、メルマガ内のテキスト広告、新聞チラシ、フリーペーパー、電話セールス、とびこみ訪問、ダイレクトメール。これらのマーケティング手法は、今まではマーケティングの中心であった手法です。あなたの会社でも、売上を上げるためにこれらの手法をやってこられたのではないでしょうか。

 

これらの手法は、いずれも消費者に対し、買え、資料請求しろ、という一方的に売り込む手法であり、また一方的に送りつけられ、情報の流れも一方通行のものです。ちなみに私の会社では、ラジオ広告、新聞広告、雑誌広告、ホームページのバナー広告、メルマガ内のテキスト広告、ダイレクトメール、という手法を行ったことがあります。

 

確かに今までは、これらの手法を使って、売上を上げることができてきました。しかし、ここ数年、これらの手法による効果が、大きく落ち込んできているのではないでしょうか。私の会社でも、それを大きく実感しています。2、3年前は、売上を上げるために十分通用した手法が、ここ最近は効果が大きく落ちてきているのです。

 

これは、日本の企業全体において起こっている現象です。ではなぜ、このように今までのマーケティング手法が通用しなくなってきているのか。

 

それには、次の2つの理由が考えられます。

 

  1. 消費者が自分で情報を探しにいくようになっているから。
  2. 新しい媒体に消費者が時間を使うウェートが高くなったから。

消費者が自分で情報を探しにいくようになっているから。

インターネットの発達により、それぞれ、自分が知りたい情報は、WEBで検索すれば調べられるようになりました。検索エンジンも以前に比べ大きく発達し、消費者が調べたい情報の多くは、簡単に調べられるようになりました。

 

また消費者自身の「検索技術」も発達しました。

 

例えば、「A銀行で受けている銀行融資をリスケジュールするのに気をつける点はどこにあるのだろう。」ということを調べようとします。

 

以前であれば、「銀行融資 リスケジュール」をキーワードとして検索したでしょう。

 

しかし最近は、消費者の検索技術も発達したため、「A銀行 融資 リスケジュール 注意点」というように、細かく検索するようになったのです。そして検索エンジンも発達したため、このような細かい検索にも応えられるようになってきています。

アウトバウンドからインバウンドへ

消費者が自分で情報を探しにいくようになり、また新しい媒体に消費者が時間を使うウェートが高くなってしまえば、今までのマーケティング手法である、アウトバウンドマーケティングの手法は通用しなくなってきてしまいます。

 

そのために、売り込まない、見つけてもらう、コミュニケーションする、というマーケティング手法であるインバウンドマーケティングの手法を早く自社に取り入れ、実行していく必要があるのです。そして、必ず指標を作り、毎月毎月のインバウンドマーケティングの取組効果を見ていく必要があります。

 

指標としては、次の4つの指標を作ります。

 

1.仕掛けた指標

2.見つけられた指標

3.コミュニケーションした指標

4.送客した指標

 

インバウンドマーケティングを自社で実行していくと、2、3、4の指標が右肩上がりで上がっていくようになります。4.送客した指標、も上がります。そうすると、インバウンドマーケティングを実践していくことによって、売上は上がっていくことになるのです。

 

ただ、勘違いしてはいけないのは、インバウンドマーケティングを行うからといってアウトバウンドマーケティングをやめるわけではない、ということです。今まで行ってきたアウトバウンドマーケティングは、その効果を見て、続けるかやめるか、選択していきます。

インバウンドマーケティングとプル型マーケティングの違い

インバウンドマーケティングという言葉とイメージが近いものに「プル型マーケティング」という言葉があります。

 

プル型マーケティングの「プル」は「引く」という意味であり、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、ホームページ、フリーペーパー、ダイレクトメールなどの方法で、商品・サービスを告知することにより、消費者の方から企業に問合せがいったり、商品を購入しに来てくれたりするようにするマーケティング手法です。

 

それに対し、プル型の反対はプッシュ型ですが、「プッシュ」は「押す」という意味であり、企業の側から消費者の方に押しかけていって、商品やサービスを売っていく、というやり方です。プル型マーケティングと、インバウンドマーケティングとは、意味が異なってきます。

 

ここで、アウトバウンドマーケティングとインバウンドマーケティングの違いを見てみます。

 

アウトバウンドマーケティング

1.企業から消費者に売り込む。
2.企業から消費者に一方的に送りつける。
3.企業から消費者への情報は一方通行。

 

インバウンドマーケティング

1.企業から消費者に売り込まない。
2.企業が消費者に見つけてもらう。
3.企業と消費者がコミュニケーションする。

 

ここから考えると、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、メルマガ、新聞チラシ、フリーペーパー、DMなどで商品やサービスを告知し、消費者から企業の方に問合せしてもらったり購入してもらったりするのは、プル型マーケティングですが、アウトバウンドマーケティングの分類となります。

 

電話セールスやとびこみ営業はプッシュ型、雑誌やメルマガ、ダイレクトメールなどでの商品やサービスの告知による方法はプッシュ型のマーケティングでありますが、いずれもアウトバウンドマーケティングのやり方です。

 

1.プッシュ型とプル型のマーケティング。

2.アウトバウンドマーケティングとインバウンドマーケティング。

 

この1と2は、違う概念です。

インバウンドマーケティングの意味

では、インバウンドマーケティングとは、具体的にはどのようなマーケティング手法なのか。

 

インバウンドマーケティングとは、SNS、YouTube、X、情報提供型ホームページなどに、多くの記事を記載することによって、多くの消費者から見つけられやすく(検索されやすく)なるようにし、そこから自分の会社のことを知ってもらい、商品やサービスを知ってもらうようになったり、消費者の方からアプローチしてもらったりするようになるマーケティングです。

 

またSNS、フェイスブック、X、youtubeなどは、コメントを書いてもらえる機能があることから、消費者とコミュニケーションしやすい媒体です。積極的にコミュニケーションをとることによって、消費者はあなたの会社への親密度が増すことになり、顧客化に向けて一歩、進んでいくことになります。

 

またインバウンドマーケティングにおいては、これら媒体において、記事を多く載せていくことになりますが、そこでは売込みしないようにします。あくまで「消費者が知りたい情報」を記事として載せていくことを主体におき、その知りたいことを消費者に伝えることを、取組の中心とします。

 

今は、消費者にいきなり売込みをしようとすると、消費者の方は引いてしまう時代です。

 

消費者が知りたい情報を伝えることによって、もっと消費者に、あなたの会社への関心を高めさせることの方が重要です。このようなマーケティングのやり方が、インバウンドマーケティング、ということになります。

 

インバウンドマーケティングにおいて重要なこと

インバウンドマーケティングにおいて重要なのは、第一に、消費者に提供できる情報です。インバウンドマーケティングの中では、それを「突き抜けたコンテンツ」と表現しますが、「突き抜けたコンテンツ」は、質とともに量が求められます。

 

またインバウンドマーケティングの取組ができるようになるためには、あなたか、あなたの会社の社員が、次のような人材になることです。

 

1.デジタルな人
2.分析できる人
3.リーチが多い人
4.記事を創造できる人

 

デジタルな人

SNS、フェイスブック、X、youtube、ホームページなどの媒体をなんなく使いこなせる人。

 

分析できる人

記事を掲載していった結果、どれだけ記事を見つけてもらったか、どれだけ消費者とコミュニケーションをとったか、などを計測、分析できる人。

 

リーチが多い人

リーチとは、どれだけの人に、書いた記事を伝えることができるか、です。記事は、検索されることによって見つけられるようになりますが、それに加えてリーチが多い人は、より多くの人に記事を伝えることができるようになります。リーチが多い人とは、例えばメルマガ読者数やYouTube登録者数、SNSフォロワー数が多いなど、多くの人に伝えられる人。

 

記事を創造できる人

インバウンドマーケティングを行うにあたって重要なのが、記事を書ことです。多くの記事を作ることができる人。このような人材にあなたがなるか、あなたの会社の社員がなることによって、インバウンドマーケティングの取組は加速できることになります。

 

ここ数年で、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、新聞チラシ、フリーペーパー、ダイレクトメールなどの、アウトバウンドマーケティングの効果は大きく減少してきました。

 

その理由は、

 

  1. 消費者が自分で情報を探しにいくようになっているから。
  2. SNS、YouTubeなどの新しい媒体に消費者が時間を使うウェートが高くなったから。

 

このような状況の中で、企業は、今までのアウトバウンドマーケティングに加えて、インバウンドマーケティングも行っていかなければなりません。インバウンドマーケティングについて、研究してみてください。

 

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