建設会社の公共工事依存から脱却の近道は?
建設業の公共工事依存からの脱却に向けて
建設業で、創業以来何十年も公共工事で売上を確保していたのだが、最近はさっぱり…このまま公共工事ばかりに依存していても売上を上げられない、まして会社を存続させられないのでは?
資材納入ルートも施工者も確保できているので、民間戸建やリフォーム事業に参入したいが、何から始めたら良いのかわからない?
どうしたら会社を軌道に乗せることができるのか?
そんな法人さんの多くがその解決策として、インターネット等で他社の成功事例を教えてくれる、集客のノウハウを売りにしているコンサルタント会社にご相談してみる等、されています。
また、各種セミナーに参加して、色々なプレゼン(成功事例)を受けながら、『これなら売れる!自分の会社でもできそうだ!』そうお感じになられて、高額なノウハウ(商材)を購入されている会社も多いのではないかと思います。
しかし、考えていた程は、成果が出ない…最近は、弊社にもそんなお悩みをお持ちの経営者の方が、よくご相談にお見えになります。
建設業における公共事業と民間事業の戦略
公共事業をターゲットにしていた会社が、いわゆる『ヒト・モノ・カネ』を別の事業に投資しても結果を出せないのは、そもそも建築業界というくくりでは似ていますが、民間事業への戦略は全く違う事業であることに注意が必要です。
同業他社と競争し、高額商品である住宅(もしくは大規模修繕リフォーム)のご契約をいただくために、第一に検討しなければならないポイントを申し上げます。
1.自社の会社としての『強み・弱み』は何か?を考え、自社の強みをどう生かすことができるか?
2.誰(どんなターゲット層)に、何(どんな住宅・リフォーム商品)を、どのように販売することができるのか?
必ず、1が最初でなければいけません。なぜならば、自社の状況を検討し、戦略を練った上で、そのターゲットに向けた情報を発信しなければ、集客も契約もできないからです。
例えば、ターゲットとすべきは、30代や団塊世代を狙うべきだ、自然素材を売りにした住宅を販売すべきだ、オール電化や太陽光発電などエコ商品をターゲットにしたら良い!と、コンサルタント会社からの提案を受けて2からスタートすると…
オール電化や太陽光発電等世間で注目されているから、というだけでは、同じものを取り扱っている会社はたくさんありますので、お客様からお問合せをいただいたとしても、ご契約できるかどうかはわかりません。
価格競争にさらされる危険性が高いです。営業的な入口は、あなたの会社の特徴(=強み)は、ハッキリとした他社との差別化をどう打ち出せるのか?の検討がなければ、成果を出し続けることはできません。
その後に、自社の状況に見合ったお客様へのアプローチや営業管理方法への取組みを検討し構築していくべきなのです。
だから、住宅・リフォーム等のハード面だけの訴求(=売り込み)に走ることなく、あなたの会社がお客様に対して、どんなベネフィットを与えることができるか!という営業戦略を構築しなければいけません。
また、新規事業へのシフトをお考えになる場合には、現在の事業の財務面も併せて検討することが重要です。まずは、現状の財務の問題点・改善点を検討した上で、現在の資金繰り表を作成し、最低でも6か月、基本的には12ヵ月先までの収支を確認します。
なぜならば、例え、今すぐにご契約をいただいても、着工は早くて3か月先、基礎工事からお引渡まで、4ヵ月の工期として、支払の多くは上棟後発生し、それからお引渡後2ヶ月程度まで発生し続けますので、契約前にその工事の支払が全て終了するまで原価・工程管理の中で利益額(率)を把握し続けることが大きなポイントとなります。
なぜならば、お客様との基本的な金額の同意は契約時に決まりますが、利益は全ての支払いが終了した後に確定するのですから。
例えば、途中の工事進捗に対する出来高の支払を把握していない、途中でサービス工事が発生した、お客様から追加工事の了承をいただいているにもかかわらず請求していなかった等を起因として、最終利益を取れないことになるかもしれません。
せっかく胸を張れる仕事をしても、赤字になってしまっては事業とはいえません。それ以前に、黒字か赤字か最後までわからないという構造が、みなさまが不安になっている最大の原因である、とは思いませんか?
自社でお建ていただくお客様を集客するための広告宣伝費(顧客獲得単価)契約までの追客コストを把握していなければ、利益確保は覚束ないのです。
すべてにおいて毎月の予算実績管理を徹底していく必要があります。つまり、あなたの会社を発展させるには、『財務』と『売上向上』が全て一体となった計画=戦略がなければ、成功できないとういうことです。
どちらか一方だけではいけません。この業界は、多くのコンサルタントが介在しておりますが、どうしてもチラシ・DMの見本であるとか、他社の受注成功事例の紹介であるとか、営業面に偏りがちです。
それは、決して悪いことではなく、取り組むべきことです。しかし、取り組むべきことの一部であり、もっと根元の部分から考え、行動しない限り、「他社と同じようなことをしている」→「価格競争が激しい」というジレンマからは逃れられないことを、ご認識頂ければ幸いです。