顧客とのコミュニケーションをどうとるか?
コンサルティングをしていく中での、今一番の取り組みとしてのテーマである「売上を上げるために必要な集客戦略とその顧客コミュニケーションの方法について」をお伝えしたいと思います。
顧客コミュニケーションの目的とは
現在、日本での多くの中小企業では、まず、<営業>と<マーケテイング>との区別が明確ではなく、見込顧客の集客から購入顧客への育成、販売までを営業担当者に任せており、マーケティング=集客設計を個別にきちんと行うという意識が低いのが現状です。
今後のネット社会では、顧客に発見される=検索される会社になることが集客戦略で重要となります。
その際、あなたの会社が今まで以上にWEBマーケティングを意識することにより、適切な人員の配置や有能な人材を登用できるかが企業の命運を分けることになります。まず、この前提を理解していただいた上で、本日のテーマである、売上を上げるために必要な、集客戦略と顧客コミュニケーションの方法について説明します。
顧客コミュニケーションの究極の目的は、ファン顧客をいかに多くつくるかです。
このためには、購入顧客をリピートさせる仕組みにのせて、何度も購入していただき、最終的にはファン顧客になる状況までお客様との関係性を深める顧客コミュニケーションをしっかりとれるように設計する必要があります。
ファン顧客は重要です。ファン顧客は良質な顧客であり、良質なお客様は、価値観の近い優良なお客様を、紹介により連れてきてくれるようになるからです。
口コミによる紹介という形で、費用も時間も労力も最小限での顧客獲得ができるようになります。ファンになるお客様をつくる仕組みづくりをするための、顧客コミュニケーションの方法について、以下に、その内容を記していきます。
顧客コミュニケーションのポイント
まず、ファン客をつくる顧客コミュニケーションを考えるときに抑えるべきポイントは3つあります。
- 顧客データベースを構築すること。(顧客名簿のことです。)
- 年間の顧客ごとの売上高のランキング表
- 顧客階層別のコミュニケーションの方法の設計
これらが整備されることで、例として
- 「A」という商品に興味を持った顧客へ、次回はそれに付随する「B」を案内する。
- 自分用の商品を買った顧客へは、次回は贈答品としての購入を提案する。
- 前回購入分が消費される前に、追加購入の案内をする。
- 前回コンタクトしてから一定の期間が経過した時点で、案内や確認を送付する。
このようなことが、「会社として」「漏れることなく」できるようになります。顧客データベースを構築し、顧客ごとの売上のランキング表を作成するところまでは、比較的難しくありません。しかし、「顧客階層別のコミュニケーションの方法の設計」は、日常の業務プロセスの中から行わなくてはなりません。
顧客階層別コミュニケーションの設計方法
まず第一に、一度でも購入歴のあるお客様をもう1回、2回とリピートする仕組みから考えます。この仕組みがない状況で、新規の顧客を獲得しようとすることは危険です。それは、例えるならばバケツに穴が空いた状況で次々に水を注ぐのと同じことです。
多くの会社においては、もっとも難易度が高く、コストのかかる「新規顧客」の獲得に多大な時間とコストと労力をかけてしまいます。※一般には、新規顧客の獲得コストは、リピートの4倍から5倍、またはそれ以上のコストがかかると言われています。
まずはリピートしてくれるお客様をつくることの重要性を今一度ご認識ください。第二に取り組むのが、集客戦略の中でも重要な見込顧客のフォローの仕組みです。見込顧客とは、商品やサービスなどに興味があるが、今すぐに買わないお客様のことです。
通常の会社では売上が厳しくなると、今すぐに購入してくれるお客様を新規に求めます。これが多くの企業が陥るワナです。
当然、今すぐ購入してくれるお客様はあなたの会社にとってうれしいことですが、その前に、抱えている商談の成約率や単価を上げることの方が成果は出やすいのです。仕組み化されていない会社が仕組み化できれば、おおよそ数パーセントは、成約率を上げることができます。
たかが、数パーセントと思われますか?
元々、成約率が20パーセントであれば、5パーセントポイント改善して25パーセントにするだけで、売上は125%になります。さらに、この売上上昇分には、固定経費がかかりませんから、利益にはそれ以上の効果を及ぼします。
では、どうすれば成約率が上がるでしょうか?
これは恋愛に例えるなら、すぐに理解していただけると思います。
ある男性が、ひとりの女性に恋をして、その女性とお付き合いしたいと考えたときに、関係性が深まるコミュニケーションをするステップを踏まず、いきなりお付き合いしてくださいと告白をしたとしても、断られるでしょう。
同じように、新規顧客、それも今すぐに購入してくれるお客様というのは、そうそう見つかりません。可能な限りのコミュニケーションを重ね、顧客との関係性を深めていかないとその次のステップには進みづらいのです。※ある有名企業では、成約に至るまでの顧客とのコンタクト数は、7回とされているそうです。7回コンタクトできるようにどうするか、ということになります。
要するに、すぐに売上に結びつかない、将来の見込客を育てられるか。新規顧客の獲得よりも、見込顧客の育成が重要なのです。この点が、集客戦略を考えるときには一番重要です。
集客戦略とは、あなたの会社がこの見込顧客獲得を中心にマーケティングを行い、接点(メールアドレスなど)を獲得して、メールマガジン等を通じて自社の特徴やサービスの啓蒙とフォローを行いながら、最終的に購入していただけるお客様にに育てるプロセスです。
あなたの会社が最初にお客様との接点を持ったら、いかにその見込客に有益な情報を与えられるか。そして、教育、啓蒙して購入顧客になっていただけるのか。さらには、購入頂いた顧客にリピートしていただき、ファン顧客になっていただけるのか。
あなたの会社がこのことを理解できたら、まずはひたすら最初のお客様との接点の獲得(見込顧客獲得)に注力してください。
顧客データベースをもとに、ファン顧客になるように設計した各顧客階層別に良好な関係を構築する顧客コミュニケーションを取ってください。そして、多くのファン顧客をつくり、安定的にファン顧客が次のお客様を口コミなどで紹介してくれる勝利の方程式をあなたの会社に是非構築してください。