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自社を把握するための三つのものさし

アメリカ経済が不況に突入し、閉塞感が漂っていた中、昨年の11月でしたか、アメリカ合衆国オバマ大統領は自らインドを訪問し、トップセールスで100億の対印輸出契約を決めましたね。日本リーダーのみならずヒトの上に立つトップは常に「姿」を見せ続けていきたいものです。

 

さて、今回は私にとって最初の執筆になる訳ですが、かつてから持論である

 

「社長がすべき8つの仕事」

 

をテーマに、今回はそのうち1つをお届けします。我々は常に仕事のスタンスを財務にフォーカスし、今以上に会社が健全に向かうように最適な処方箋を出しております。みなさまの参考になれば幸いです。

あなたの会社をはかるものさし

会社の経営実態を示すものさしとして、三つの資料があります。

 

1.貸借対照表(バランスシート)
2.損益計算書
3.商品別売上年計グラフ

 

以上の三つです。※通常は、3つ目は「キャッシュフロー計算書」と言われますが、今回はあえてこのようにしております。この3つを見れば、会社の経営状態、長所、短所が即座に分かり、今後の会社経営の舵取りに必要なものさしともなります。

会社をはかるものさし1-バランスシート

例えば、資金繰りが厳しい会社はバランスシートから以下の特徴を見ることができます。

 

(1)現預金が少ない
(2)自己資本が少なすぎる
(3)固定資産が多い
(4)支払手形が多い
(5)借入金が多い
※(4)(5)について、流動比率が低くキャッシュフローは少ない
(6)在庫が多い
(7)売掛金が多い
(8)仮払金、貸付金、投資有価証券等が多い

 

と同時に、このような会社の社長は商売熱心でも、おカネの管理、すなわち財務には関心が低い、とも言えます。

会社をはかるものさし2-損益計算書

次に損益計算書ですが、そこにはその会社の収益力を見ることができます。特に儲かっていない会社は以下の特徴が顕著に出ています。

 

(1)粗利益率が低い
(2)管理費が多い
(3)金利負担が多い

 

等々の理由から、事業力を示す営業利益、そして経営力を示す経常利益が赤字になる訳です。

会社をはかるものさし3-売上年計グラフ

売上年計グラフ(得意先別・商品別等で区分し、月次で売上高推移を追う折れ線グラフ)からは、変動要因をより明確にするための手段として、以下の内容をとらえることができ、先行管理にも大いに役立つものです。

 

(1)全体売上高の推移(順調であるか否か)
(2)主力商品売上高の推移
(3)主力得意先売上高の推移

事業の継続と存続のために

この三つのものさしはあくまでも今の会社を図る道具です。しかし勘違いしてはならないのは、これら三つのものさしの作成、それ自体が目的ではない、ということです。本来の目的は、事業の継続と存続をするための最適な手段、選択肢を設け、そして実行することにあるのです。

 

バランスシート、損益計算書に対してアレルギー反応を出す会社経営者の方も多くいらっしゃると思いますが、ここは医者と患者の関係と全く同じです。患者を診察して処方箋を出しそして治療して治す。診察ができなくては、どんな薬が必要なのかさえもわかりません。ご自分の会社の診断は、できていますか?

 

会社経営者とは選ばれたヒトです。その選ばれたヒトとして断固、自社の改革に早期着手してもらえることを願っております。

 

執筆:沖原厚則

 

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