初年度から年商が大きい企業
なぜ創業時から売上が大きいのか
私たちにご相談いただく企業の中で、「創業初年度から年商が大きい」というパターンの企業があります。
なぜ、初年度から売上が大きい企業が存在するのか。それは、次の2つのパターンがほとんどです。
パターン1:
経営者が前に勤めていた会社が立ちいかなくなり、そのお客様を引き継いで立ち上げた企業
パターン2:
経営者が前に勤めていた企業から多くの仕事をもらい、初年度から売上が大きい企業
しかし、このいずれのパターンにおいても、多くの場合、売上が年々減少していきます。では、この2パターン別に、なぜ売上が年々減少していくのか、その原因を見てみます。
パターン1
経営者が前に勤めていた会社が立ちいかなくなり、そのお客様を引き継いで立ち上げた企業
このような企業がなぜ、売上が減少していってしまうのか。
なぜかというと、このような企業は前の会社からお客様を引き継ぐので、はじめから売上は大きくても、前の会社で仕組みができていた「売上が上がる仕組み」までは引き継げていないからです。
お客様は引き継げても、「売上が上がる仕組み」までは引き継げていないから、売上は年々減少していきます。
既存客1件あたりの売上をどう大きくしていくか、新規客はどう獲得していくかなど、前の会社に存在していた「売上が上がる仕組み」が今の会社では引き継げていないのです。
前の会社に存在していた「売上が上がる仕組み」を意識的に今の会社にも導入することができた会社であれば、今の会社でも売上は落ちることなく、年々売上は上昇していくことができることでしょう。
しかし「売上が上がる仕組み」を今の会社にも導入することを怠り、「前の会社のお客様がいるから今の会社は安泰だ」と経営者が思ってしまっている企業では、売上が年々減少していくことになります。
だから、前の会社からお客様を引き継いで、創業初年度から売上が大きかった企業は、創業して数年たつと、売上が年々減少していって、一方で売上規模の縮小に合わせた、人員リストラなどコスト削減を進めることができず、赤字に陥ってしまうパターンをよく見受けられます。
パターン2
経営者が前に勤めていた企業から多くの仕事をもらい、初年度から売上が大きい企業
このような企業がなぜ、売上が減少していってしまうのか。
なぜかというと、前に勤めていた企業がお客様であっては、新規顧客開拓の苦労少なくお客様が確保できたということになり、新規顧客開拓の取組の重要性を経営者は感じなくなり、一方で前に勤めていた企業との関係も、その企業の担当者交代などにより年々希薄になってその企業からの売上も年々減少し、この両方が要因で売上が減少してしまうからです。
仕事をもらえる前の会社との関係を保つことにエネルギーをかけてしまい、一方で企業にとって重要である、「売上が上がる仕組み」構築はおろそかになってしまい、売上が減少していってしまいます。
このような企業も、創業して数年たつと、売上が年々減少していって、一方で売上規模の縮小に合わせた、人員リストラなどコスト削減を進めることができず、赤字に陥ってしまうパターンが多く見られます。
0から創業した会社との比較
通常、創業社長が経営する会社は、創業後数年は、売上が年々伸びていく傾向にあります。
なぜなら、その創業社長のほとんどは、自ら売上を作っていくことができる、という自信があって創業したのでしょうから、自分で「売上が上がる仕組み」を作ることができます。(創業社長が経営する会社でも売上が伸びていかない会社もありますが、その原因については別の機会で述べます。)
しかし、創業社長という点では共通でも、創業当初から売上が大きい会社においては、今回述べたようなパターンに陥ってしまうケースが本当に多く見受けられます。
そういったところを見ると、創業当初から売上が大きくて、売上に恵まれた会社より、0からのスタートの会社の方が、会社としての底力はあるように思います。創業当初から売上が大きく、そして年々売上が減少していってしまっている企業には、「売上が上がる仕組み」ができていません。
またその仕組みをどう作るか、経営者も知らないし、役員、社員も知りません。
一方で、創業当初からのお客様に頼ってしまっている経営ですから、そのお客様にすがろうとしてしまい、気がつくと年々売上が減少し、赤字経営となってしまうのです。そのような企業に、すぐにでもやるべきことは、「売上が上がる仕組み」の構築です。
この仕組み構築のノウハウは、0から創業した経営者であれば持っているノウハウです。そのような企業に早く追いつきたいものです。思い立ったが吉日です。今から、「売上が上がる仕組み」を構築していきましょう。
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