売上が減少・激減した企業の再生方法
売上が減少・激減した企業ですぐに行うべきこと
売上が減少・激減した企業の場合、経費がそれほど変わらないとすると、大きく赤字を出してしまうことになります。そのような場合、すぐにでも赤字をトントンにしないと、その企業はすぐに、資金繰りに詰まってしまうことになります。
このような状況で、やるべきことは、縮小均衡、つまり大きく減少した売上規模に見合った経費にしなければならない、ということです。
売上(年商)が5.0億円、経費が4.9億円、利益が0.1億円の企業があるとします。
この企業の経費4.9億円のうち、固定費が2.4億円、変動費が2.5億円だとすると、もし売上5.0億円が減少・激減して2.0億円になったとした場合、変動費は売上減少に応じて減少するので、5分の2となり1.0億円となります。それに固定費2.4億円を足して経費は3.4億円となります。
売上2.0億円で、経費3.4億円となれば、赤字は△1.4億円と、とんでもない数字となります。
売上が減少・激減した場合、経費削減だけではだめ
このような場合、経営者としては当然、経費を削減することになりますが、こんな状況で単なる経費削減では、赤字はとても埋まりません。単なる経費削減というよりも、あらためて損益の見直しをはかり、トントンになるまで経費の組み方を見直します。
売上2.0億円で、変動費1.0億円であれば、固定費は1.0億円まで縮小しなければ、トントンとなりません。
固定費2.4億円を1.0億円にまで下げるにはどうしたらよいか、人件費、家賃など、固定費を、まっさらな状態から考えて、積み上げていかなければなりません。
ここまで売上が下がると、経費を何割下げるか、という考え方ではなく、減少後の売上でもトントンとなるには経費をどう使っていけばよいか、という考え方にしなければなりません。売上が減少・激減したとすると、経営者としては、そのうち売上は回復するのでは、という考え方をしてしまうかもしれません。
しかし、売上が2億円の企業の場合、上記の例のように経費を3.4億円も使うでしょうか。売上が2億円の企業の、経費の適正水準というのがあります。その適正な経費になるために、まっさらな状態から、経費をどう使っていけばよいのか、考えて実行するしかないのです。
売上が回復するということは全く考えず、まっさらな状態から経費を考えていくしかないのです。そうしないと、大きな赤字を出してしまいます。
売上が減少・激減した場合、やってはならないこと
またこのような場合、よくやってしまいがちなのが、粉飾決算を行って赤字を黒字に見せて融資を受けようとすることです。しかし、粉飾決算で受けた融資は、赤字を補てんする融資ということになりますので、借入総額はどんどん膨らんでしまう、ということになります。
粉飾決算で赤字補てんの融資を受けても、借入総額はどんどん膨らんでしまい、借入総額はいつまでも膨らまし続けることはできないので、いずれ融資はストップしてしまうことになります。
このような場合、莫大なる借入を抱えてしまいます。
だから、売上が減少・激減したら粉飾決算をやって融資を受けて赤字を補てんしようというより、損益がトントンとなるよう、まっさらな状態から経費の使い方を考えていくべきです。
このように、売上が減少・激減した場合、経営者が判断を間違えてしまうと、取り返しのつかないことになってしまいます。