「融資が出るかどうか分からない」という言葉は何を意味するか?
銀行から融資が出るかどうか分からないと言われた
あなたは、銀行に対し、融資を申し込む時や、普段の銀行員との会話の中で、「融資は出そうかどうか」と聞いてみたことはあるでしょうか。
その時、多くの場合は銀行員は「分かりません。」「審査してみないと分かりません。」「なんとも言えません。」というように返してきたのではないでしょうか。
この場合、銀行員は何を考えているのでしょうか。
銀行員は、本当にそう思って、「分かりません。」と言っています。
なぜなら、融資は審査しなければ出るかどうか分からないものだし、またその銀行員が最終決裁者(融資を出すかどうか最終決定する人)でないかぎり、融資が出るかどうかは言えないからです。
またこれは、断定的判断の提供の禁止と言って、銀行において禁止されていることの一つに「決裁がおりるまでは融資が確実に出ることを言ってはいけない。」ということがありますが、これが銀行において徹底されているからです。
だから、「融資は出そうかどうか」と聞かれて、銀行員はなんとも答えようがないのです。
銀行で銀行員は断定的判断の提供を行うのを禁じられている
一方、銀行員は数多くの融資案件に関わってきた経験から、口では「分からない」と言っても、実際に融資審査は通りそうか通らなさそうか、だいたいは感じが分かっているものです。
銀行の融資審査の8割は決算書がウェートを占めているので、決算書を見れば融資が出そうかどうか、なんとなく分かります。
しかし銀行員は、その時にはっきりと「融資は出ない」と言って、それを聞いた経営者とトラブルになることもおそれています。
だからこのような場合も、「審査してみなければ分からない」とお茶を濁すようなことを言うのです。
そう考えると、あなたがどうしてもすぐに、自社は融資が出そうな会社かどうかを知りたいのであれば、あなたの会社と関係のない知り合いの銀行員に聞くか、弊社のような専門コンサルタント会社に聞いてみるしかないのです。
融資が出そうかどうかは、銀行員が数多くの融資審査を経験することによって身につける独特の感覚なので、やはり銀行経験者が、聞く相手としては一番、ということになります。
あなたは、銀行に「融資は出そうかどうか」と聞いてみて、「分からない」とお茶を濁されてがっかりすることでしょう。
しかし、銀行員も自分を守ります。本音では「融資は出そう」「融資は無理」となんとなく分かっていても、はっきりと答えません。
だから、実際に融資審査の回答を待つか、どうしても早く知りたければ知人の銀行員などに聞いてみるしかないのです。
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