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銀行員が嫌がる決算書

あなたの会社の決算書を、一度見てみてください。

銀行員が、融資の審査を行うにあたって、嫌がる決算書。

 

利益が赤字であったり、債務超過であったりするのはもちろんですが、それとともに、よく分からないところにお金が流れているように見える決算書です。

 

利益が黒字であっても、純資産(貸借対照表の右下を見てください)がある程度プラスであっても、このような、よく分からないところにお金が流れている決算書は、銀行としては、嫌なものです。

 

例えば、次のような決算書です。

 

  1. 経営者に、多額の貸付金や、仮払金が出ている。
  2. 何かよく分からない会社に対し、多額の出資金や貸付金がある。

 

1については、経営者が会社のお金を私的流用してしまったり、もしくは粉飾決算において赤字を隠すところを経営者への貸付金にしてしまっているパターンが多いです。もしくは、領収書を出せないリベートを、経営者個人が払った形にして、そのお金は会社から出ている、というパターンもあります。

 

2については、どこかから湧いて出てきた儲け話に経営者が乗ったものであったり、関係会社を増やすのが好きな社長がその関係者の設立や関係会社の資金繰りのために、お金を出しているパターンが多いです。

 

あなたの会社の決算書を、一度見てみてください。貸借対照表の中で、まず、次の勘定科目を見てみてください。

まず、銀行に毎月の返済金額を減らしてもらうことから、はじめてください。

「前渡金」「立替金」「前払費用」「貸付金」「未収入金」「仮払金」これらは、雑勘定といって、銀行員の感覚で言えば、「本当にこれって資産としてみなしていいの?」と考えるものです。

 

これらの金額が多額であると、銀行員としては、勘定科目明細でそれらの内訳を一つ一つ見て、資産としてカウント出来るものか、それとも資産とみなせないものか、一つ一つ吟味していきます。

 

資産としてみなせないものは、純資産からひいて、実質の貸借対照表を銀行は作ります。

 

例えば、貸借対照表の純資産が5百万円ある会社が、一方、貸付金が経営者に対して8百万円あり、それらが全て不良資産(ちなみに経営者への貸付金はたいてい不良資産とみなされます)とみなされると、5-8=△3百万円の実質純資産、つまり実質債務超過、とされ、融資審査において大きなハンデとなります。

 

また「投資有価証券」「出資金」などの金額が大きくなると、銀行員としては、「なぜこんなところにお金が出ているの?もしかして、以前に出した融資が流れてしまっているのでは・・・。」と見てしまいます。

 

決算書を良く見せようと、粉飾決算を行う際にこれらの勘定科目の金額が大きくなったり、もしくは本当にお金が流れていて、それが返ってくる見込みがなくこれらの勘定科目が大きくなったりするパターンがありますが、いずれにしても、資産としてみなせないとされれば、その金額分、純資産から差引きされますので、融資審査においてはそれだけ不利になる、ということです。

 

では、実際に上記のことが起こっていて、融資がなかなか受けられない状態である企業の経営者は、どうしたらよいか。

 

まさか、別の決算書を作って(偽装して)、銀行に持ち込むわけにもいきません。一番の目的は資金繰りをまわすことですから、銀行から融資が受けられない中で、資金繰りをまわすことを考えます。まず、銀行に毎月の返済金額を減らしてもらうことから、はじめてください。

 

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