親戚・知人からのお金の借り方
なぜ、親戚・知人にお金を貸してほしいと頼んでも、断られてしまうのか。お金を貸してほしいと言われる方の立場から見ると、分かるでしょう。
お金を貸してほしいと言われたら、まず考えるのは、「本当に返ってくるのか?」です。金融機関は、ビジネスでお金を貸しています。だから、貸したお金が返ってくる可能性をシビアに審査されて、その可能性がないのなら、お金を貸してくれません。
しかし親戚・知人は、お金を貸してほしいと言われたとき、「なんとか助けてやろう。」という思いがあります。利害関係を抜きにして、助けてくれようとします。だから、親戚・知人は最後の頼みの綱なのです。ただ、お金をあげるというのならともかく、お金を貸すのですから、いくら親戚・知人と言えども、貸して本当に返ってくるのかどうかはとても気になるところでしょう。
では、親戚・知人が最後の頼みの綱で、お金を貸してほしいと頼む際に、貸してくれやすい頼み方、貸してくれにくい頼み方、を考えていきます。貸してくれにくい頼み方は、ただ単に「お金を貸してください。」と言うことです。
そう頼まれた方の立場に立ってみると分かります。
「この人、ただ貸してほしいといっているだけで、絶対返すとはいってもどうやってお金を作るか、何も具体策がないじゃないか。本当に返ってくるのか?」と疑問に思うのが普通でしょう。だから、ただ単にお金を貸してほしいといっても、なかなか借りられないのです。では、貸してくれやすい頼み方はどういう頼み方なのか。
次の資料を用意します。
- 自分の会社をどうやって立て直していくのかを書いた経営改善計画書。そこにはむこう3年ぐらいの月次損益計画と月次資金繰り表を入れる。
- その資金繰り表をもとに、親戚・知人から借りたお金をどうやって返していくかを書いた返済計画。
- 借用書
お金を貸してほしいと頼まれた親戚・知人としては、返済計画があり、またその根拠が経営改善計画や資金繰り表で分かりますので、貸したお金が返ってくることの不安が少なくなります。
また借用書を交わし、どうやって返していくかをその借用書の中で書いておくことによって、貸した方としてはお金が返ってくることに確信を持てます。
このようなものを用意してお金を借りに行くのとそうでなくお金を借りにいくのとでは、相手の受ける印象は大きく違うでしょう。大金を借りようとするのですから、借りるための準備はしっかりするべきです。
また、親戚・知人からお金を借りるのは、最後の手段です。親戚・知人から借りるお金は、会社立て直しのために使わなければなりません。決して、赤字を補てんするために使ってはなりません。銀行へ返済するために使ってはなりません。
赤字補てんや銀行返済のために使うと、またすぐに、「お金が足りなくなった。どこか借りることないか。」ということになってしまいます。だから、会社立て直しのために大事に使うようにしてください。
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