当社からの手数料収入も毎月・・・
「当社からの手数料収入も毎月3万円前後あり、取引深耕したく、本件、融資したい。」融資の稟議書には、最後に、稟議書を書いた担当者の「意見」欄があります。
この意見欄の書き方一つで融資が通るか通らないか大きく左右される、とまではいかないですが、融資を出すかどうか最終的に決める支店長などが、「この融資、出すか、出さないか、どうしようか・・・」という微妙なラインのとき、その支店長に最後のひと押しをしてくれるのが、冒頭の意見です。
私が銀行員時代に稟議書を書いていた時は、冒頭のような意見を最後に書いたことがよくありました。いくら業績が良い会社と言えども、銀行はその企業に融資する「理由」が必要なんです。そうしないと、融資案件を通したいと思っているその企業の担当行員は、上から「なんで君はこの会社に融資したいの?」とつっこまれてしまうのです。
それでよく使ったのが、その企業からの手数料収入を持ち出すやり方です。ということは、手数料をその銀行に落としている企業は、それだけでも融資において若干有利になるのです。
銀行の手数料には、次のようなものがあります。
- 振込手数料
- 手形の取立手数料
- ネットバンキングの使用料
- 外国為替の手数料
など、いろいろな種類の手数料があります。だいたいこれらの手数料を落とすのは、メイン銀行に対してとなりますが、サブ銀行や、その他の銀行にも、少しずつでも手数料は落としていますか?
例えば、あなたの会社が、A銀行・B銀行・C信用金庫から、6:2:2の割合で融資を受けているとします。それであったら、イメージとしてそれぞれの銀行からの振込も6:2:2の割合で行います。あくまでもイメージですので、4:3:3でもよいし、7:3:1でもよいのですが、手数料を少しでも落とすことが、銀行にとっては、「利息収入だけでなく、手数料収入も得られる企業」と映ります。
手数料収入が少しでも入ってくる企業は、それだけのことで融資審査においては有利になるのです。そもそも、手数料収入が企業ごとにどれだけあったかは、毎月本部から支店に送られてくる資料に、記載されています。
また融資審査にあたって作成される稟議書を打ち出す際には、その中で手数料収入も自動的にコンピュータが打ち出してくれる仕組みになっているのです。手数料について、もっと意識しましょう。
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