銀行対策をやればいいのか?
今回は年初ですので、堅い話は抜きにして、私が普段思っていることを書きます。当メルマガの題名は「銀行とのつきあい方」ですから、弊社のやっているコンサルティングは、銀行対策のコンサルティングである、と思われている方が読者様の中でいらっしゃるかもしれません。
ただ実際は、弊社のやっているコンサルティングは、経営コンサルティングです。だって考えてみてください。銀行対策というのは、銀行から円滑に借りられるように対策をうっていくことがほぼ全てですが、銀行から融資を受けるという資金調達は、あくまで「手段」でしかありません。
赤字を毎月毎月垂れ流ししている会社が、資金調達がたまたま成功して「あーよかった、なんとかなった。」と言う経営者を見てると、怒鳴ってやりたくなります。というより、どうでもいいや、と思ってしまいますが、弊社の仕事はそのような経営者に、資金調達はあくまで手段の一つでしかなく、黒字化を早急に図っていかなければ何の解決にもならない、ということを懇切丁寧に説いていくのが仕事でありますので、がまん強く説いていかなければなりません。
弊社がコンサルティングに入って、弊社とともに経営改善に着手している企業でも、緊急保証制度で融資が何千万円たまたま受けられたからといって「なんとかなりました。困った時はまたお願いします。」などと言って赤字企業なのに経営改善の取組みをやめてしまう経営者があります。
それとか、こちらがプロの目で見て銀行からまず融資が受けられないから資金調達は諦めて早急に損益改善・財務改善を進めましょう、と言っても、「いや、なんとか融資が受けられるようにがんばってみる。」とずるずる先延ばしにして仕入先などへの未払いが積み重なっていく企業、などもあります。やっぱり融資が受けられなくて、気がついた時は未払いの山積み、という状態になってしまいます。
銀行対策、資金調達対策、というのはあくまで手段の一つでしかないんですよ。もしできたとしても、一時しのぎにしかなんないんですよ。そんなこといくらがんばったって、損益改善、財務改善を抜本的に図っていかなければ、なんの解決にもならないんですよ。
であれば、損益改善、財務改善、というように経営改善を早急に進めていかなければなりません。
なぜこのような考えに私は至ったのかというと、2004年10月の創業したてのときは、私は銀行対策・資金調達のコンサルタントといって売っていました。
しかし、相談にくる経営者のほとんどが「赤字だから資金調達したい。」という経営者。
「赤字って、資金調達が解決手段なの?赤字を黒字化するのが解決手段じゃないの?」と思って、銀行対策・資金調達のコンサルティングを中心にすることが社会にとって意味のないことに思って、創業半年ぐらいで、倒産しそうな中小企業を立て直す事業再生を専門とした経営コンサルタント会社に転換したのです。(もちろん、今でも銀行対策・資金調達対策はノウハウは豊富にありますよ。しかしそれだけでコンサルティングを受けることはありません。経営改善を中心とした上で、財務改善手段の一つとして銀行対策・資金調達対策を行っています。それらは手段の一つでしかないですから。)
倒産寸前の中小企業が、経営者自身で立て直す方法が分からなければ、弊社みたいなコンサルティング会社に頼むのも手じゃないですか。
弊社自身も、弱点は弊社自身の内部統制・コンプライアンス体制だと感じていますので、月額30万円でそれらの対策が強いコンサルティング会社にコンサルティングを依頼しています。
月額30万円のコンサル料を支払って内部統制・コンプライアンス体制が構築できれば、安いものですよ。これは「投資」ですから。倒産寸前の中小企業が立ち直るのも、経営者自身でできなければこのような「投資」を行うべきです。
別に弊社みたいなコンサルティング会社に頼まなくても、会社を立て直してくれる社員を雇ったらいいじゃないですか。
会社をだめにしてしまう経営者の特徴
- 銀行対策・資金調達ができれば会社はうまくまわっていくと思っている。
- 会社を良い方向に向かせる大事なことや会社を成長させることに「投資」する感覚がない。いろいろな経費を削減することしか頭になく、必要な「投資」をする感覚がないため、会社が成長しない。会社がだめになってしまう。
- とにかく決断が遅い。例えば弊社への相談においては「困った時は相談します。」と言って、相談するのが遅いから、今月の支払いができないという事態になってやっと相談にくる。早目の決断、早めの対応が何より重要です。ギリギリになって相談にこられても弊社も困ってしまいます。(それでも弊社はなんとかしますが。)
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