親族のしがらみがある同族企業の経営者は決断力が求められる!
中小企業の中には、親子・兄弟・親戚など、親族が多く関わっているところも多いかと思います。親族で固めた経営のメリットは、会社の目標に一丸となりやすいところでしょうか。
ただ、デメリットも多いのが同族経営です。
会社の業況が悪化し、危機的状況に陥った時、会社に貢献していない社員を解雇し、人件費を削減する、という対策はよく行うことです。しかし、同族の役員や社員などは、なかなか辞めてもらうことが、できません。
熱心に働いているとは言えず、給料だけはたくさん持って行く弟。
「ちゃんと仕事やってよ。」と文句を言うと、「おれはお前の小さい頃からかわいがってきた。何でお前に文句言われないといかんのか。」という、おじ、おば。というように、仕事をしっかりやってくれてるとは言えないが、親族であるから、しがらみがあって、会社が危機的状態になっているのに、辞めてもらうこともできない、そのようなケースは多くあります。
この場合、そのような親族社員と、コミュニケーションがとれているようでとれていなかったりするものです。
表面的な会話はよくするも、会社の状況、会社に対する思い、親族社員をどう経営者は見ているか、など、深いところに入り込んだ話し合いが、普段できているようで、できていない場合が多いです。
まずは、本音のコミュニケーションをとってみること。それと、会社に関わる親族を集めて、親族会議を行うのも手です。会社の窮境を打ち明け、どうやって会社の立て直しを図っていくか、経営者だけでなく親族間で問題を共有することにより、親族も協力的になってくれることが期待できます。
今まで仕事にやる気がなかった親族社員が、やる気を出してくれるかもしれません。親族会議では、会社の立て直しのために、経営者以下、体制を固め、一丸となって会社再生に進んでいくことを確認します。
また、このままでは会社が倒れてしまうことを訴え、赤字の黒字化のためには人をスリム化することが必要であることを訴え、協力してもらいます。後に遺恨を残さないのは無理がありますが、何も話し合いしないで一方的に辞めてもらうより、じっくり話合った上での方が、その後すっきりすることでしょう。
親族が何人か役員・社員でいる同族企業の経営者の方、やりにくさはよく分かります。しかし、危機的状況だからこそ、経営者としてのリーダーシップ、それと決断力が求められるのです。
同族企業は何代か続いた、業暦が長い会社が多いです。父が夢を描いて起業した、祖父が夢を描いて起業した、そんな会社を存続させたい。それは親族共通の願いです。
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