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安全経営においては不動産は購入せず賃借で対応するべき

中小企業経営者の中には、たまたま利益が出ると気が大きくなって、土地を買って自社ビルを建築するなど、大きな借入れをして大きな不動産を買う人がいます。ひどい場合になると、周辺の土地や建物をどんどん買って、借入れを増やしていく経営者もいます。まるで”陣取り合戦”です。

 

安全な企業経営においては、不動産は購入せず、極力、賃借で対応するべきです。

 

不動産を買うには大きな資金が必要です。大きな資金は、銀行からの借入れで用意することになります。そうすると、年商が2億円なのに借入れが2億(うち1.5億円が不動産購入資金での借入れ)という、分不相応な状態となります。返済負担は大きく、金利負担も大きいでしょう。

 

賃借の場合は、賃料が発生します。しかし、賃借の良いところは、臨機応変な対応ができるところです。

 

もし年商が激減してしまった場合、人員を減らさなければならないでしょう。そして賃料の安いところに引っ越すなど、会社の業況に応じて、臨機応変な対応ができます。しかし自社の物件ですと、臨機応変な対応が困難です。不動産を売却するとしても、なかなか希望価格で売れません。重い返済負担、金利負担が続き、資金繰りに大きな影響を及ぼします。

 

本社事務所の場合、それが自社物件である必要性はありません。賃借で十分です。業容が拡大したり縮小したりする時、自社物件であれば動きが取れません。賃借であれば臨機応変な対応ができます。

 

店舗の場合、まさしく賃借で対応すべきです。銀行員時代、私が担当していたある飲食業の会社は、数店舗が自社の保有でした。大阪の中心にある店舗でしたので、1店舗数億円はします。その分、借入れも多く、その企業の決算書は銀行にとって融資しづらいものでした。

 

またその店舗が赤字店舗の場合、どうするのでしょうか。身動きがとりづらいです。

 

広大な土地に大きな工場を建てなければならない場合は、工場建物の方は自社で建てなければならないことが多いでしょうが、土地は、安い地域であればまだしも、高い地域であれば賃借で対応できないか、検討してみることが必要です。

 

次のA社とB社を見てください。

 

A社:年商2億円、借入2億円(うち自社物件購入資金1.5億円)
B社:年商2億円、借入0.5億円(不動産は保有せず)

 

銀行は、どちらの会社が新規融資を行いやすいかは明らかにB社です。この例を見ても分かるように、不必要に不動産を購入するのは、財務体質を悪化させ、銀行が融資しづらい状態になります。

 

どうしても不動産を購入しなければならないケースもあるでしょう。しかし私が言いたいのは、意味もなく不動産を購入するのは、やめましょう、ということです。極力、賃借で対応できないか、考えてみた方がよいです。

 

不動産を多く保有している会社で、財務体質が良い会社はほとんど見ません。不動産を多く保有する会社は、銀行にとって、融資をしづらいのです。

 

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