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試算表・決算書を読めない経営者は経営ができない

試算表は、毎月作るものです。1か月が過ぎたら、1か月の経理を行って、その1か月の損益はどうだったか把握し、今後の経営改善に生かします。

 

経営者は、試算表を読むことができなければなりません。損益がどうだったか見ることもできないで、どうやって経営ができるのでしょうか。

 

試算表を読むことができない、つまりある程度の会計の知識もない人は、経営を行うべきではないです。経営で重要なことは、過去の損益を把握し、その反省をふまえて今後の経営に生かすことです。数字を見ることができなければ、そもそも経営はできません。

 

決算書も同じです。1か月ごとの試算表が1年まとまったものが決算書です。試算表を読むことができるのなら、当然、決算書も読めます。決算書により、1年の損益を把握し、反省のもと、今後の経営に生かします。

 

それともう一つ、試算表・決算書を経営者が読むことができなければならない理由があります。

 

例えば、経理等の社員が試算表を作っている場合。もしくは顧問税理士が試算表を作っている場合。

 

社員の不正、つまり横領があると、試算表を見ると、おかしな動きとなっていることがあります。

 

例えば、なぜか貸付金勘定がどんどん大きくなっている。

 

経営者の身に覚えがなければ、すぐに、総勘定元帳を見て、原因を把握します。貸付金がどこに流れているか、仕訳を見て、原因を探ります。そうやって、経営者が知らないところで社員に会社のお金が流れていることを発見できたりするものです。

 

もしくは、社員は巧妙に、売掛金勘定を使うことによって、不正が分かりづらいようにしているかもしれません。

 

しかし、売掛金の動きがおかしければ、そこを経営者が調べることによって不正を見つけることができます。

 

このように、経営者は試算表を読むことによって、社内の不正を発見しやすくなり、気がついたら手遅れになっていた、という事態を防ぐことができるのです。

 

経営者が試算表を読むことができると、経理社員等は、うかつに不正を働けない、という牽制にもなります。経営者が試算表を読むことができない、会計が分からないとなると、経理社員等に、なめられます。社長は何も分からないから、簡単に不正を働くことができるのです。

 

私のところに相談に来られる中小企業経営者で、社員に不正を働かれたことがある方は、とても多いです。そのような経営者の多くは、会計知識が不足し、試算表が読めないタイプです。

 

相談に来られる5社に1社は、社員に不正を働かれたことがある、とおっしゃいます。世の中、こんなに不正が横行するものなのか、と驚くほどです。

 

試算表・決算書を読めない経営者の悲劇、それは、損益が読めず経営ができないこととともに、簡単に社員に不正を働かれてしまう、ということです。

 

試算表・決算書は読めなくても、税理士にまかせておけば大丈夫、という考えは、捨ててください。決算書は、税務申告するものでしかない、銀行融資の申込みに使うものでしかない、という認識の経営者は本当に多いです。

 

確かにそのような用途ですが、それ以上に、経営を振り返り、今後の経営に生かすものが、試算表・決算書です。甘えないでください。決算書の読み方の本を一冊買ってきて、勉強してください。

 

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