1行で3,000万円より3行で3,000万円
銀行融資のコンサルティングをやっていると、例えば3,000万円の融資を受けたい場合、それを1つの金融機関だけで受けようと考える方が多いと感じます。
ただ銀行の考え方は、既存の融資先であったらまだしも新規の融資先であったら、金額はできるだけ小さく、返済期間はできるだけ短く、融資条件を考えるものです。
なぜなら、銀行が一番、貸倒れることが多いのは、新規の企業に融資を出したその一本目、だからです。
長い間、企業と融資取引している場合より、情報不足なのが、新規の融資先です。
いくら決算書の内容が良く見えても、そこには「だまし」がある場合もあります。
悪質融資ブローカーが、偽造の決算書を作って、その決算書を元に融資を出してしまえば、銀行としては貸倒れの可能性が一気に高まります。
新規の企業は銀行にとって、どうしても情報不足になってしまいます。
決算書を大々的に偽造していても、銀行は分からないケースが多いのです。
そのため、決算書の内容が良くても、銀行がその会社へ初めて融資をする際は、慎重にならざるを得ないのです。
そこで、例えば3,000万円の融資を受けたい場合、1つの金融機関で3,000万円の融資を受けようと考えるよりも、2つや3つの金融機関で合計3,000万円の融資を目指す方が良いです。
1つの金融機関は、新規の会社に、いきなり大きな金額を出すのはリスクが高すぎるのです。
金額を大きく、返済期間を長くしていくのは、一発目の融資よりも二発目の融資です。