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銀行との融資交渉は「口頭」よりも「書面」で

中小企業の経営者から銀行融資のご相談をいただく中で、よくあるのが、「今度、銀行で融資の交渉をするから、失敗しないようにアドバイスがほしい。」というご相談です。

 

そのような経営者が考えがちなことは、銀行との融資交渉においては、銀行員と話す中で経営者が発する言葉がポイントになる、ということです。

 

つまり、変なことを銀行員に言ってはいけないと思い、気構えをするためにアドバイスを求めるのです。ただ私は、銀行員に対して経営者が発する言葉はさして重要ではない、と銀行員時代の経験から感じます。

 

なぜなら、融資を行うかどうかの最終決定者は、支店長もしくは本部だからです。融資の交渉場面で、最終決定者が直接相手をすることはめったにないでしょう。そのため、融資交渉の相手にいくら良いことを言ったとしても、それが支店長や本部まで伝わらなければ、アピールの努力のかいなし、になってしまうのです。

 

銀行員と融資交渉をする中で、こういうことを言ったら融資がおりやすくなる、というようなテクニックなんてないです。それよりも、自社をアピールするには、書面として銀行員に渡すことが重要です。

 

自社の現状の説明、業績を良くするための対策、アピールポイント、今後の経営計画、融資で出た資金の使い道など、書面にして銀行員に渡してみてはいかがでしょうか。書面で渡し、そこで簡単な説明をするのです。その書面は、融資の稟議書に必ず添付されます。そうすると、支店長や本部まで、その書面がまわるのです。

 

あなたの会社がアピールしたいことが、確実に、融資の最終決定者まで伝わるのです。書面でアピールするのではなく、融資の申込み時に銀行員にいくら「口頭」だけで自分の会社をアピールしても、相手の銀行員は9割方忘れます。

 

銀行員は自分の言ったことを全部まとめて稟議書にしてくれるだろうと思っている経営者もいますが、そんなの銀行員としては無理です。口頭だけであなたの会社をアピールしても、その1割も稟議書に反映されない、と考えていいでしょう。

 

それよりも、書面にして銀行員に渡し、融資が受けられるようにアピールするのです。書面であれば、あなたが言いたいことがほぼ全部、融資の最終決定者まで伝わります。そうすれば、どれだけ融資の可能性を高めることができるでしょうか。考えてみてください。

 

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