金融機関の融資停止情報
私どもは金融機関と窓口がありますが、各金融機関の担当者と話す中で、とても感じることが、商工ローンの融資審査が非常に厳しくなっているということです。
原因は、二重金利の撤廃の流れ(利息制限法15%(元金100万円以上の場合)、出資法29.2%)により新規融資の金利引き下げを余儀なくされたこと、多くの既存融資先企業からの利息制限法を超えた払い過ぎ金利の返還請求、商工ローン業界の業績悪化による銀行から商工ローン業界への融資渋り、融資先企業の延滞率の上昇などです。
私どもが取引している商工ローンのうち、少なくとも3社から、企業への無担保融資を実質的に停止するという通告を受けています。その他の商工ローンでも、同じような流れがあると思われます。
銀行から融資が受けられない中小企業が、厳しい資金繰りをしのぐために、商工ローンは、ある意味で重宝される存在でした。ただそのような商工ローンから、お金が出なくなるのです。そうすると、資金繰りがより苦しくなる企業の増加は、容易に想像つきます。
そもそも、事業が赤字の企業が、商工ローンなどで資金繰りをしのぐことは、むちゃな話です。
事業を赤字からとんとんまで持っていくための対策をまず考えるべきなのに、それをせず、資金調達すればなんとかなる、という考え方は、問題の先送りでしかなく、その後に待っているのは、より悪化した事態です。(事業を赤字からとんとんまで持っていくことがどうしてもできない事業はやめるべきです。)
商工ローンは、事業黒字であるが、入金と支払のずれで「一時的」に資金繰りをしのぐ時に限定して使うべきです。
そうではなく、事業赤字を補てんするために商工ローンからとても高い金利で借りることは、はっきり言って企業を一気に破たんに招く、自殺行為です。しかも商工ローンは、企業に関係ない第三者を保証人にして、保証人まで巻き込むからやっかいです。
自分の親や兄弟を巻き込む、義理の親や兄弟を巻き込む、取引先を巻き込む,友人を巻き込むなど、保証人とされたいろいろな人が巻き込まれています。
多くの商工ローンからたくさんお金を借りた状態から会社再生を目指すのと、商工ローンまでは手が出ていない状態で会社再生を目指すのとでは、再生のやりやすさが全く違います。(私どもは商工ローンから多くお金を借りている状態でも会社再生を目指し最後まであきらめないことをポリシーとしていますが・・・)
商工ローンからお金を借りることが困難になった現在は、商工ローンからお金を借りたことによって一気に破たんに向かうことが少なくなるということで、歓迎すべきかもしれません。
銀行から融資を受けられない場合の手段としては、商工ローン、ヤミ金、融資ブローカーを使った決算書の偽造などがありますが、そんなことで一時的に資金繰りをしのいでも、すぐ後にもっと大きな問題となってかえってきます。安易に、資金調達に頼ろうとすることは本当にやめた方がいいです。
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