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節税と銀行融資を考える

あなたの会社が、銀行から融資を受ける機会が多く出てくるであろう会社の場合、ぜひ、心にとどめておいていただきたいことがあります。

 

それは、「節税第一に考えない」ということです。

 

あなたの会社の顧問税理士は、期末になると、税金を安くするための対策をいろいろ提案してきませんか?税金を安くするということは、逆に言うと、利益を減少させる、ということになります。利益を減少させるということは、自己資本が多くなっていかない、ということになります。(このあたりの会計が分からない経営者の方、絶対に勉強してください。)

 

【youtube】「黒字決算なので節税対策をしたいのですが、どのくらいやればよいか知りたい」もあわせてご確認ください。

 

 

銀行が融資を審査するに際し、一番注意深く見るものは、あなたの会社の決算書です。決算書で、80%決まります。私は元銀行員ですから断言するのです。その決算書の中でも、自己資本がいくらあるか、ここが一番、銀行に注意深く見られるところです。

 

自己資本は、純資産とも言います。資産合計から負債合計を差引いたものが、純資産です。

 

あなたの会社の純資産がいくらであるか、銀行は一番、見るところです。

 

その自己資本が、節税によって利益がほとんどなかったり、赤字になったりした場合は、増えていかない、もしくは減ってしまうことになります。

 

そうなると、銀行の融資審査は、必然的に厳しくなります。この自己資本を大きくすることが、銀行融資を受けやすくする特効薬となります。

 

別に、通常の経費を計上しない、とまでは言わないですが、無理に経費を作ってまで落とさないことです。

 

例えば自動車。必要があるならまだしも、節税のために必要でない自動車を購入したり、高額の自動車を購入したりすると、現金が無駄に流出するので資金繰りに影響が出ますし、それを借入金でまかなえば、将来の借入枠をせまくしてしますことになります。

 

例えば、節税のための保険。保険に加入すると現金は流出し、資金繰りにも影響します。

 

また、借入により保険に加入する場合もありますが、節税のための保険で、借入金を増やして財務内容を悪くしてしまえば、融資審査にも影響が出ます。

 

将来の退職金がわりや、経営者に万が一のことがあった場合への備えなど、保険本来の使い方であればいいのですが、節税のための保険は、決算書を悪くしてしまうので、融資が必要な会社であれば、やめた方がいいです。

 

節税は、利益を悪化させ、自己資本を低くします。そうすると、融資審査に影響が出ます。

 

安易に「節税、節税」と考えないでください。自社の状況をしっかり把握した上で、利益を優先させて融資を受けやすくするか、融資が必要でないので節税対策をとるか、考えてください。

 

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