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融資返済のリスケジュールと延滞との違い

リスケジュールと、延滞、言葉は似ていますが、全然ちがうものです。リスケジュールと延滞とで、決定的にちがうことは、銀行との「合意」です。

 

リスケジュールは、銀行と交渉することにより、毎月の返済金額を減額してもらったり、猶予してもらったりすることです。

 

これに対して、延滞は、銀行と交渉を行うこともなく、融資の返済が滞っている、そのような状態を指します。

 

リスケジュールは、銀行の同意を得て、返済額を減らしているものです。返済金額変更の契約書も、交わします。

 

延滞は、銀行の同意を得ていない状態です。企業側が交渉など、何もしないでおくと、銀行は競売、保証人への請求など、強行な手段をとってきます。

 

この違いについては、気をつけておいた方がいいです。あなたの会社が、仮に返済が厳しい場合、銀行とリスケジュールの交渉を行い、返済金額を変更してもらってください。

返済の延滞をするとどうなる?

銀行から融資を受けている中小企業の経営者であれば、誰でも不安に思うことは、融資の返済を延滞するとどうなるか?ということではないでしょうか。

これをお話するに、まずみなさんに、知っておいていただきたい用語があります。

 

それは「期限の利益」です。

期限の利益とは

期限の利益とは、例えば3,000万円の融資を5年(60か月)分割返済の条件で受けるとします。返済の側面から見てみると、この融資を受けても、1日後すぐに全部返済しなさい、ということにはならないですよね。

 

60か月、月に割って50万円ずつ、返済してもらえばよいですよ、ということになります。

 

これを、債務者から見て1か月ごとの各期限(=約定返済日)まで銀行は返済を待ってくれて、すぐに全部返せ、とは言ってこないということなので、期限の利益、とよびます。しかし、融資を受けると銀行と交わす「金銭消費貸借契約書」には、返済を1日でも延滞すれば、銀行の請求により期限の利益を喪失する、というような文言が入っているかと思います。

 

期限の利益を喪失する、ということは、残り全部の金額をすぐに支払いなさい、ということになります。それができなければ、競売、差押え、など次の手がうたれる、ということになります。

 

しかし実務上は、1日延滞しただけで銀行がすぐに手をうってくることはまずないです。

 

また延滞して、ケースバイケースですが3か月程度ほったらかしにしておくと、銀行から催告書といって、融資の返済を促す通知を送ってきます。

保証協会付き融資の延滞の場合

また信用保証協会保証付融資においては、原則90日延滞すれば、一定の冷却期間をおいたうえで銀行は信用保証協会に代位弁済を請求することが可能となります。早いと延滞後6か月程度で代位弁済されます。そうなるとその後は企業と信用保証協会との交渉となります。

 

ただ、そのような状態になっても、銀行と交渉してリスケジュール、つまり毎月の返済金額を減額する交渉を行って同意をもらえば、延滞状況が解消され、銀行の同意を得た返済金額の減額状況となり、銀行は矛先を収めてくれます。

 

必要なのは、何よりも銀行と向き合うことです。

 

銀行に、なぜ業況が悪くなって返済できなくなったのか、今後どうやって改善を行って利益体質を作って返済を再開できるようにするのか、それを書面で分かるようにして説明し、リスケジュールの応諾をもらえるように交渉します。

 

一方、延滞となっても銀行から逃げていると、銀行は次の手をうっていきます。

 

弊社にご相談にこられる経営者でも、2、3か月延滞の状況になってやっとご相談される方がいますが、相談はできるだけ早くされるべきです。相談が遅れれば遅れるほど、選択肢はせばまっていきます。

返済が延滞になった場合の対処法

もし、融資の返済資金がなくなり、どうしても資金繰りがつかず、延滞となってしまったら、どうしたらいいでしょうか。

 

こうなったら銀行に事情を説明するしか方法はありません。行方をくらますなど、銀行から逃げてはだめです。銀行から逃げたら、あなたの会社はもっと危険な事態となってしまいます。延滞したのは仕方がありません。銀行に事情を説明してください。

 

延滞となったら、銀行は必ず督促してきます。では、銀行にどのように事情を説明したらよいでしょうか。

 

銀行には、会社の財務状況・再建の見通し、返済の計画を書面を用いて説明し、返済を猶予してもらえるように頼んでください。

 

具体的には、どうして返済が延滞となる事態となったのか、最近の貸借対照表はどうなっているのか、損益の状況はどうか、最近3ヶ月と今後3ヶ月くらいの資金繰りはどうなっているのか、必ず書面も用いて説明してください。

 

それらの説明ができないようであれば、銀行が返済猶予してくれる可能性はもっと低くなります。銀行に事情を説明し、返済を猶予してもらい、次の手を考えましょう。

 

また、銀行に対して返済ができないのに、豪邸に住んでいたり、外車を乗り回すようであれば、銀行からもソッポを向かれてしまうことでしょう。経営者自身の生活も見直し、融資返済が再開できるよう、できるだけの手をつくしてください

 

なお、いきなり延滞して銀行にびっくりさせるよりも、ぎりぎりまで資金繰りを考えたが、今度の返済日には必ず延滞となってしまうと分かった時点で、あらかじめ銀行に、次回の返済は不可能であると言っておいた方が、銀行に対する印象は全くちがいます。銀行は、いきなり延滞する企業は相当危機的な状況であると見ます。

 

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