資金繰り表を作っていれば数ヶ月前から資金ショート対策がとれる
資金繰りを確認したり、金融機関提出用の書類作成のため、顧問先の資金繰り表を作ることが多くなってますが、作るのは大変ですね。なぜかというと、試算表・決算書だけでは、資金繰り表を作ることはできないからです。
今までの資金繰りを見る、実績資金繰り表は、相手科目が現金預金となっている伝票を集めて作ります。また会計ソフトに資金繰り表作成機能があれば、楽です。しかし、一つ一つ伝票を見て、計算するのであれば、とても大変な作業です。企業が資金繰り表を作るには、専用の会計ソフトの整備などの対策が必要だと思われます。
また、これからの資金繰りを予測する予想資金繰り表は、予想ですので、例えば当社の売掛サイトが1ヶ月で現金回収40%手形回収60%、受取手形の平均サイトが4ヶ月であれば、こういった売掛金入金・受取手形決済になるのだなと計算しながら、作ります。
予想資金繰り表を作るには、今後数ヶ月の経営計画が必要なのですが、それさえあれば、正確性はともかくある程度の予想資金繰り表は作ることができます。
本来なら、資金繰り表は資金ショート(不足)を防ぐための経営管理資料として使うものなのですが、最近は金融機関提出のための資料のようにとらえられることが多くなっています。そうなると、金融機関に提出したら終わり、もう資金繰り表を見ることもない、となってしまいますが、資金繰り表は企業の今後の資金繰りをチェックするためのとても重要な経営資料です。
銀行員時代に営業にまわっていた企業の中にも資金繰り表で資金管理をしている企業としていない企業がありましたが、資金繰り表を作っていた企業の方が、経営がしっかりしていて、また業績も良かったように思います。また資金繰り表に基づいて運転資金融資の申込みをしてくるので、銀行としては融資申込みの目的がはっきりと見え、融資を行いやすかったです。
中小企業の社長・経理担当者などにとっても、数ヶ月の資金繰りが数字で見え、安心できるのと、1ヶ月の資金繰りも分からず絶えず不安であるのであれば、資金繰り表を作成する重要性がわかっていただけるものと思います。
資金繰り表を作らず、今月末の資金不足が今になって分かり、あわてて融資を申し込むも断られ、金策に走るのであれば目もあてられません。資金繰り表を作っていれば数ヶ月前から対策がとれたのに、資金繰り表を作っていないばっかりに経営の危機におちいってしまうこともあります。
さっそく資金繰り表の作成にとりかかってください。倒産する企業は、資金不足におちいった企業ばっかりです。
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