新しいノルマ「不良債権を減らすノルマ」
新しいノルマ「不良債権を減らすノルマ」
今まで、本部からおりてくるノルマで、融資量に関するものと言えば、融資量を増やす、というノルマでした。
しかしここ2〜3年、融資量を「減らす」というノルマも銀行の支店には課されています。
もちろん、正常な融資の融資量を減らす、ということではありません。不良債権、もしくは不良債権になりかけの債権を減らす、というノルマです。
不良債権の定義は「要管理先」「破綻懸念先」「実質破綻先」「破綻先」の会社に出している融資のことを言います。また、それらの区分に当てはまる会社への融資でも、担保・保証協会の保証状況によって不良債権と見なされない部分もあります。
不良債権、もしくは不良債権になりかけの融資には、銀行は「貸倒引当金」を多く積んでいます。その率は高く、貸倒引当金を積んでいる分、銀行の負担は大きくなってしまいます。不良債権、もしくは不良債権になりかけの融資を減らすと、銀行は貸倒引当金の負担がその分なくなるので、利益が増加されるのです。
そのため、銀行は不良債権、もしくは不良債権になりかけの融資をいくら回収するか、というノルマを各支店に設定しています。
そうなると、各支店ではそのような融資の回収に走ります。融資を回収されたら、その会社は今後の事業継続が困難となるでしょう。
「融資を減らすノルマ」の対象にならないよう、格付アップ対策は重要です。