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粉飾決算はバレやすい

銀行が企業の決算書を見るとき、一番チェックすることが、決算書の内容に粉飾がないか、ということです。そのため、確定申告書を提出してもらって、決算書との整合性を確かめたり、また勘定科目明細を提出してもらって、科目の内訳に不明瞭なものはないか、目をこらしてチェックしたりします。

 

それでも、粉飾決算はなかなか見抜けるものではありません。最近の粉飾決算は、精巧に作られる傾向にあります。

 

いくらベテランの銀行員が見ても、粉飾決算を見抜くのには限界があるため、最近ではコンピュータが粉飾決算の可能性をはじき出すようになっています。

 

たいていの銀行には、粉飾決算を見抜くためのソフトがあり、全ての融資先企業の決算書を、そのソフトを使って分析し、粉飾の傾向をチェックしています。ソフトを使って分析した結果、粉飾の傾向が見受けられる場合、銀行は企業に、粉飾の可能性が高い箇所について、詳しく質問してきます。そこで企業の担当者は粉飾がバレないようにうまく言い訳しようとします。

 

しかし、うまく言い訳しても、銀行はその通りにはなかなか信じようとしません。

 

結局は、「ここの部分は粉飾の可能性が高い」として、決算書を差し引きして見ます。ソフトにより決算書の粉飾可能性が判定されるため、あなたの会社が粉飾をすればするほど、そのソフトの分析にかけることによってあなたの会社の決算書は“危険”な決算書であると見なされます。粉飾決算を作っても良いことはありません。

 

粉飾決算は、ほんのささいなきっかけでバレます。今まで私が粉飾決算を見つけた事例には、以下のようなものがあります。

 

  • 前期決算書の次期繰越利益と、当期決算書の前期繰越利益が相違していた。
  • 今まで企業の顧問税理士から決算書の提出を受けていたが、たまたま今回、社長から直接提出された決算書が、税理士が提出していた決算書と矛盾していた。(税理士が提出していた決算書は粉飾であった)

 

粉飾が発覚すると、粉飾の程度にもよりますが、新しい融資の停止、すでに受けている融資の一括返済の要求など、企業の死活問題ともなりかねません。

 

【関連記事】粉飾決算の開示による債権者との協力関係構築が成功へ導いた事例

 

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