銀行が気にする、融資先企業の兆候
銀行は企業に融資を出したら終わりではなく、全額完済となるまでは、絶えず融資先企業の動向をチェックしています。
銀行がチェックしているポイントはいくつかありますが、今回は他行取引上のチェックポイントを述べたいと思います。
融資先企業が以下のような兆候を見せると、銀行は不審に思い、いろいろな調査をしてくるので、以下のような兆候を見せないように気をつけてください。またやむをえない場合は、その理由を銀行にしっかり説明すると、銀行も安心することでしょう。
・主力銀行の融資残高が大幅に減少する。
主力銀行以外の銀行は、なぜ主力銀行の融資残高が大幅に減少したのか、不審に思うことでしょう。主力銀行の支援姿勢に変化があったのか、もしそうならば今後の資金調達に影響が出てくるため、他の銀行も警戒してきます。何か特殊な事情があったなら、その事情を銀行にしっかり説明するようにしてください。
・主力銀行ほか他行に保全強化(担保を入れる等)の動きがみられる。
この場合も、他の銀行からは、業績悪化による保全強化の動きがあった、と見ることでしょう。
・主力銀行の変更がある。
この場合、長年主力銀行として支援してきた銀行が、なぜ主力銀行としての支援を他の銀行に任せてしまったのか、不審に思われます。銀行は、主力銀行の交代は、何か大きな事情があるものと見ます。特殊な事情があるのなら、銀行にしっかりと説明してください。
・その他の取引銀行の変更がある。
新規の銀行と取引を開始するだけなら問題ないのですが、問題になるのは今まで取引を続けてきた銀行と取引を解消することです。その取引解消は、企業側から申し出たのかそれとも銀行側からか、他の銀行は知りたがるでしょう。企業側から申し出た場合は、特に問題とはなりませんので、しっかりと説明してください。
以上、他行取引の変動を銀行がチェックする場合を述べてきました。肝心なのは、他の銀行が不審に思わないよう、しっかり銀行に説明することです。このようなことを銀行が疑問に思ったままであるのと疑問が解消されているのとでは、今後の融資審査に大きな影響が出てくるので、気をつけてください。