「固定資産」はどう見られる?
貸借対照表で、固定資産の部があります。固定資産、特に有形固定資産について述べてみます。有形固定資産には、土地・建物・建物付属設備・機械装置などがあります。
昔は、土地価格が右肩上がりで上昇していく時代がありました。当時は、銀行は企業が有形固定資産が多いことは、けっこう高く評価したのではないでしょうか。
しかし現在は全く逆です。土地を持っていると、銀行員が思うことはまず
「含み損失がどれくらいだろう?」です。
また現預金を土地・建物等有形固定資産に変えていると、流動資産が少なく、固定資産が多くなります。そうなると多くの銀行で格付を行う際に利用されている「当座比率(=当座資産÷流動負債)」「流動比率(=流動資産÷流動負債)」が悪くなってしまいます。土地・建物を購入するために借入をしていたら、借入金の金額も多くなってしまいます。
そのため、現在では有形固定資産を多くしていると、銀行からは悪い評価をされることが多くなっています。
借入にあたって銀行から良い評価を得るために気をつけておいた方が良いことの一つに、できるだけ有形固定資産を持たないこと、が挙げられます。
特に本部の事務所など、直接利益を生まない部署が使用するものは、できるだけ賃貸物件にした方がよいのではないでしょうか。また現在自社所有している不動産は、他社へ売却する(その後、その不動産を引き続き利用したい場合は、売却先から賃借することもできます)ことも、一つの方法として考えられます。