借入金利の原理
借入金利の原理
銀行から融資を受けるとき、借入するコストである金利は、借入する企業にとって利益をどれだけ減らすかに影響を与えるので、重要となってきます。
金利は、できるだけ低い方が、借入する企業にとっては当然良いことです。
しかし金利はどのように決まるか、知らない経営者・銀行担当者も多いです。そうすると、銀行の言うがままに金利を決められてしまいがちになります。
以下で、金利の決め方を述べますので、どのように金利が決まるか覚えておいた方が、今後の銀行との金利交渉にとって有利になるかもしれません。
金利は、
・調達金利
・経費率
・デフォルト率
・銀行の収益率
この4つの足し算によって決まります。
・調達金利
銀行は、預金者・市場などから資金を引っ張ってきますが、その預金金利・市場金利が、平均してどれくらいかで決まります。
・経費率
銀行を運営するのに、行員の人件費、支店の家賃、融資先企業の調査、コピー費など、いろいろな費用がかかります。それらが、銀行全体の融資量に対して、どれくらいの率かによって決まります。
・デフォルト率
この率は、融資先企業の信用格付・債務者区分(正常先・要注意先など)によって決まります。簡単に言えば、倒産する確率です。良い格付の企業・正常先の企業だったらほとんど倒産せず、0%に近くなりますが、悪い格付・要注意先・破綻懸念先・・・になると、倒産する確率が高くなります。
・銀行の収益率
銀行も営利企業です。ここで、銀行の利益を上乗せします。
金利を決める例
調達金利0.2%+経費率0.5%+デフォルト率1.1%+銀行の収益率0.5%→2.3%
銀行としては、この企業に融資するときは、金利を2.3%以上にしたい、と考えます。
ほとんどの銀行は、パソコンで上記のような感じで金利の計算をして、この企業に何%の金利を適用すれば、銀行としては採算が合うかを考えます。
しかしこのように銀行が悠長に金利を計算しても、優良な企業などでは、他行がそれ以下の金利を提案してこれば、必然と金利競争になり、採算が合わない
金利でも提案せざるを得なくなります。
この競争原理を、金利を低くするために生かしてください。(そのためには自社が銀行がお金を貸したがる企業にならなければなりませんが)