銀行が警戒する融資先企業
銀行が警戒する融資先企業
銀行は、企業に融資をして終わりではなく、融資先企業の動向について、常に注意を払っています。
もし融資先企業に決算書ではあらわれない倒産の兆候が見られた場合、銀行はその企業を警戒し、新たな融資を渋ったり、金利引き上げ、回収にはしる場合もあります。
そのため、そのような兆候らしきものを銀行に見せないように、企業は注意しておく必要があります。
銀行はどこから企業の倒産の兆候を見つけるかというと、
・業界の動向
新聞・テレビ・経済誌などのマスメディアから銀行は業界の動向をチェックします。また、倒産の増えている業種だったりすると、その業種に属する企業を銀行はチェックします。あなたの会社が不況業種に属する場合でも、自社はなんとか大丈夫であることを、銀行員にしっかり説明できていると良いでしょう。
・日常の預金取引
当座預金・普通預金など、日常利用している口座の入出金の動きを、銀行はチェックしています。入出金の状況におかしいところはないかを見ています。、入金する手形・小切手の振出人・裏書人に変化はないかを見ている場合もあります。何か変化があるようであれば、銀行員に説明すると良いでしょう。
・現地の状況
営業所・事業所・店舗・工場など、銀行員は定期的に訪問し、何か変化はないかをチェックしています。例えば、営業所の従業員にやる気が見られないとか、店舗が閑散としている、工場の操業状況が芳しくないなど、そういうところから、銀行は企業の動向を見ています。また、設備資金の融資を受けた場合、その設備の稼動状況を見られます。そのようなところで、銀行員に不信感を抱かせないようにしておくことが必要です。
・経理・財務担当者の動向
経営者が気を付けていても、企業の経理・財務担当者から、企業の変化についての情報が漏れてしまうことがあります。経理・財務担当者に気を付けてもらうようにしましょう。また、銀行は経理・財務担当者の退職にとても敏感です。万が一退職する場合でも、経理・財務の部署から、いったん別の部署に移動させて退職させる、というように、引き継ぎのあいさつの時に銀行に退職の事実が分からないようにしましょう。
このようなことから、銀行は融資先企業の動向をチェックしています。気を付けておいてください。