銀行が融資先企業の決算書を見るポイントを知っておこう
銀行が融資先企業の決算書を見るポイントを知っておこう
銀行は企業の決算書のどこを見るのか、それを知っているのと知っていないのとでは、今後、格付が良くなる決算書を作る上で、大きな違いが出てきます。ポイントを頭に入れておきながら、自社の決算書を作りましょう。税理士さん任せではいけません。
銀行が決算書を見るポイントを述べます。
・貸借対照表
・自己資本の金額・自己資本比率
・流動資産・当座資産(現金預金・売掛金・受取手形・売買目的有価証券を合計したもの)と流動負債のバランス
・固定資産と固定負債・自己資本とのバランス
・有利子負債がどの程度あるか(月商と比較されることが多い)
・資産に計上されているものでも、不良資産(回収不能売掛金、不渡手形、回収見込みのない仮払金など)がないか
・土地・有価証券などで、含み損失が大きくなっているものはないか
・前期の決算書と比較して、大きく増減している科目はないか。あったとしたら、理由はどこにあるか。
・損益計算書
・前期の決算書と比較して、売上高の増減はどうか。その増減の原因はどこにあるか。
・前期の決算書と比較して、営業利益・経常利益の金額の増減、売上高総利益率・売上高営業利益率・売上高経常利益率の増減はどうか。その増減の原因はどこにあるか。
・販売費・一般管理費、製造原価について、コストアップ・コストダウンの状況はどうか。コストダウンの努力は見られるか。
以上のようなポイントに沿って、銀行員は決算書を入手してから、その内容をじっくり見て、チェックすべき点を次々に書き出していきます。また、経営者・企業の財務担当者に、不明なところをいろいろ質問してきます。
銀行員から聞かれた質問には迅速かつ正確に回答できるように、決算書の内容をしっかり把握しておいてください。そうでないと、「この経営者(財務担当者)は自社の決算書の内容について分かってなく、こんなことで経営は大丈夫なのか」と銀行員から思われかねません。