銀行の「当座貸越」という融資方法に対する考え方とメリット・デメリット
当座貸越とは、この金額までならいつでも自由に融資を受けることができるという融資枠を銀行と取り決めておき、その枠内で融資を受ける方法です。
例えば、融資枠を5,000万円と取り決め、銀行と契約を交わせば、融資金額が5,000万円に達するまでは申込書1枚でいつでも融資を受けたり、返済したりすることができます。
ただ、銀行にとっては、当座貸越は融資方法(商業手形割引・手形貸付・証書貸付・当座貸越)の中で最も行いたくない方法なのです。
商業手形割引は割引した手形の決済により銀行は資金を回収できます。手形貸付は借入用手形に書かれた支払日に、証書貸付は金銭消費貸借約定書に書かれた返済日に銀行は資金を強制的に回収できます。
しかし、当座貸越は、融資先企業の主導で借りる・返すを決められるので、借りっぱなしで返済をしないということも可能となります。そのため、銀行にとっては、融資を回収できないリスクが高くなります。
そのため、当座貸越は銀行としては最も行いたくない方法なのです。
担保があるならばともかく、無担保であるならば、当座貸越契約を銀行と取り交わすのは、とても困難です。そのようなことができる企業は、優良企業と言ってもいいでしょう。
担保があれば、例えば5,000万円の当座貸越を組みたい場合は担保としての評価(だいたい時価×0.7が相場です)が5,000万円以上あれば、当座貸越契約を組むことができる可能性は高くなります。しかし、担保は将来の価値下落リスクがあるので、担保がある場合でも、当座貸越契約を取り交わすことができる企業は限られてきます。
エクステンドでは、中小企業の経営者様からの無料相談を受け付けています。当座貸越を開設したい、銀行からの新たな資金調達や返済が厳しい、資金繰りが苦しいので楽にしたいなどのお悩みでしたらお気軽にご相談ください。まずは下記バナーより「無料相談」をご利用ください。
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借入と何が違うの? 当座貸越のメリット・デメリット
資金調達の方法として「借入」と「当座貸越」の違いに悩んだことはありませんか? 両者は一見似ているようで、実は大きな違いがあります。今回は、財務コンサルタントの視点から、当座貸越のメリットとデメリットを解説していきます。
当座貸越と通常借入の基本的な違い
当座貸越は、事前に設定された限度額内で、必要な時に必要な金額だけ引き出せる仕組みです。一方、通常の借入は、一度に全額を借り入れ、計画的に返済していく方式です。この基本的な違いが、様々なメリットとデメリットを生み出します。
当座貸越のメリット
1. 柔軟な資金調達
必要な時に、必要な金額だけを調達できます。急な出費や一時的な資金不足に即座に対応できるため、資金効率が向上します。
2. 金利負担の最適化
使用した金額と期間に対してのみ金利が発生するため、無駄な金利負担を避けられます。
3. 手続きの簡便さ
一度限度額を設定すれば、その範囲内で自由に資金を使用できます。都度の借入手続きが不要なため、迅速な資金調達が可能です。
4. 返済の自由度
固定の返済計画がなく、入金があれば自動的に返済に充当されます。これにより、キャッシュフローに応じた柔軟な返済が可能になります。
当座貸越のデメリット
1. 金利水準
一般的に、当座貸越の金利は通常の借入より高めに設定されています。短期的な使用には適していますが、長期間の大口資金需要には不向きな場合があります。
2. 限度額の制約
設定された限度額以上の資金は調達できません。急激な資金需要の増加に対応できない可能性があります。
3. 依存リスク
便利な反面、安易な使用により恒常的な資金不足に陥るリスクがあります。適切な資金計画と使用管理が必要です。
4. 審査の厳格さ
当座貸越は即時の資金調達を可能にする特性上、金融機関の審査基準が通常の借入より厳しい場合があります。
どちらを選ぶべきか?
当座貸越と通常借入、どちらを選ぶべきかは、資金需要の性質によって異なります。
短期的で変動の多い資金需要には当座貸越が適しています。例えば、季節変動による一時的な運転資金の不足や、急な支払いへの対応などです。
一方、設備投資など、長期的で金額が確定している資金需要には、通常の借入が適しているでしょう。金利が比較的低く、計画的な返済が可能だからです。
理想的には、両者を適切に組み合わせて使用することです。当座貸越で日々の資金繰りの柔軟性を確保しつつ、大きな資金需要には通常借入を活用する。このようなバランスの取れた資金調達戦略が、中小零細企業の安定経営には不可欠です。
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