要注意先企業は「要管理債権」ではないか銀行に吟味されます
「要注意先」企業の方へ
あなたの会社が、銀行が行う自己査定において「要注意先」に区分されている場合、銀行から受けている融資の一つ一つが、「要管理債権」ではないか、銀行により吟味されます。
「要管理債権」とは、「3ヶ月以上延滞の債権」および「貸出条件緩和債権」のことを言います。あなたの会社に、「要管理債権」と判定された融資が一つでもあると、あなたの会社は「要注意先」の中で悪い方である「要管理先」と区分されてしまいます。そうなると、あなたの会社は、新たな融資を受けることはほぼ不可能となってしまいます。
そのため、あなたの会社が「要注意先」であっても、その中の「要管理先」となることは、絶対避けなければなりません。
「要管理債権」となる融資の条件のうち、「貸出条件緩和債権」があり、そうなる要件の一つに、金利減免されている融資、という項目があるのですが、これは何かと言うと、「同等な信用リスクの借入先の通常適用される新規貸出実行金利」よりも、金利を引き下げた融資を言います。
しかし、この「同等な信用リスクの借入先の通常適用される新規貸出実行金利」は、とてもあいまいなものなのです。その金利は、具体的に何%であるか、銀行それぞれの判断に任されていますが、銀行も対応に苦慮しているようです。
しかし最近、金融庁は、この「同等な信用リスクの借入先の通常適用される新規貸出実行金利」を、融資先企業の、自己査定による債務者区分ごとに定められた基準金利としているらしいです。
各銀行には、毎年〜3年に1回、抜き打ちで金融庁による検査が入ります。検査の中でも最重要なことは、銀行が自己査定により、融資先企業を適正に債務者区分しているか、ということです。
例えば「要注意先」企業に、銀行が定めている基準金利は、3〜5%です。今までは、銀行は「同等な信用リスクの借入先の通常適用される新規貸出実行金利」を低く(各銀行の短期プライムレートの水準あたり)していて、「要管理債権」と認められるものを少なくしていたのですが、最近、金融庁は、銀行が自己査定による債務者区分ごとに決めている基準金利を、「同等な信用リスクの借入先の通常適用される新規貸出実行金利」とする見解を示し始めています。
ということは、あなたの会社が「要注意先」であった場合、3〜5%に満たない金利の融資があると、それは「要管理債権」と見なされ、あなたの会社が「要管理先」へ落ちてしまう可能性が高くなっているということです。
また、銀行は「要管理先」へ落ちてしまう企業を増やさないため、「要注意先」の基準金利3〜5%までの金利引き上げを今までより強く要請してくることも考えられます。
あなたの会社がこのような事態になるのを防ぐには、あなたの会社が「正常先」であるならば「要注意先」に落ちないようにする、あなたの会社が「要注意先」以下ならば、「正常先」へ上がる、それしかないと思われます。