当座貸越
当座貸越
以前のメルマガでは、4つの融資方法のうち証書貸付・手形貸付・商業手形割引を述べましたが、最後に当座貸越について述べます。
当座貸越は、融資の限度(極度)を設定し、その極度までは自由に資金を借りたり返したりできる融資方法です。
当座貸越には、2つの方式があります。
一つは、専用当座貸越です。これは、貸越伝票または専用のキャッシュカードにより、自由に資金を借り、また自由に返済することができる方法です。
例えば、専用当座貸越の極度を3,000万円設定したとします。支払資金が足りないから500万円借りる、売上の入金があって預金が潤沢だから500万円返済する、というように行います。
もう一つは、一般当座貸越です。これは、当座預金と連動しています。当座預金の残高が不足した場合に、自動的に貸越となります。
例えば、一般当座貸越の極度を2,000万円設定したとします。支払手形等の決済があって資金が足りなくなった場合、例えば残高が300万円あって1,000万円の支払手形決済があった場合、△700万円となります。極度の2,000万円までは自動的に貸越となります。一般当座貸越の極度を設定していなければ支払手形は不渡りとなりますが、貸越極度を設定しているため助かってます。
二つの方法の違いは当座預金と連動しているかしていないかです。専用当座貸越の場合は独立して機能しています。当座預金がなくてもできます。一般当座貸越の場合は当座預金連動し、当座預金がマイナスとなったら自動的に貸越になり、特別な手続きは必要ありません。
当座貸越は当然、銀行と契約していなければ融資を受けることはできません。当座貸越は、銀行融資の中で一番難関な融資方法だと言われています。なぜなら、証書貸付や手形貸付のように決まった返済日がなく、借りっぱなしということができるからです。
当座貸越は、原則は担保付です。担保の評価額の範囲内で当座貸越の極度を設定します。無担保で当座貸越の極度を設定されている企業は、優良企業だということの証です。
極度を設定しておけば、とても便利な融資方法です。あなたの会社も、ぜひ当座貸越の設定にチャレンジしてみてください。