銀行の「含み損益表」で調べられやすい項目
銀行では、「含み損益表」なる書類を作っています。これはどのようなものかというと、融資をしている企業からもらった決算書の実態を見るために、資産の各項目が本当に実際の価値を表しているか、調べるためのものです。
特に、詳しく含み損益を調べられやすい項目は、以下のものです。
・有価証券
株式、投資信託などがあれば、時価に換算して含み益があるのか含み損があるのかを調べる。
・土地
路線価・基準地・標準地などによって地価を調べ、企業が持っている土地は時価に直すとどれくらいで、含み損益があるかを調べる。
・貸付金
企業は、子会社、代表者、従業員などに貸付をしている場合、その貸付金は本当に返ってくる可能性があるのか、きちんと返済されるために、根拠(契約書の有無、実際の返済の有無)があるのかを調べ、返ってくる可能性がないと判断されれば、含み損となる。
・受取手形・売掛金・未収入金など
その中に、倒産した企業のものがあれば、当然含み損とされる。決算書上の資本勘定から、以上の例によって算出された含み損益を加減して、実際は資本はどれくらいあるのかを計算します。
決算書上の資本はプラスでも、含み損益を加減すると債務超過となってしまう企業は大変です。それで要注意先となってしまうこともよくあります。
銀行は、含み損益表を作るために、企業に決算書の付属明細の提出を要求します。提出を拒めば、あやしい資産項目は含み損と見なされる可能性は高いので充分な注意が必要です。何事も、お金を借りるにあたって情報開示を続けることは必要ですよ。
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