コロナ融資の新たな借換え保証制度がスタート
コロナ禍によって人の動きが変わり、多くの事業者が大きな影響を受けました。コロナ禍の影響によって業績が悪化した中小企業や小規模事業者を支援するために制定されたのが「新型コロナウイルス感染症特別貸付(コロナ融資)」です。
2020年3月からスタートしたコロナ融資の返済が本格化していく中で、コロナ融資を返済できない事業者も今後、増加してくると考えられています。そこで、民間のコロナ融資等を利用した事業者を対象にした新たな借換え保証制度が2023年1月10日からスタートしました。
今回は、コロナ融資の新借換え保証制度の概要についてご説明します。
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コロナ融資(新型コロナウイルス感染症特別貸付)とは
コロナ融資とは、コロナ禍で売上が減少した中小企業や小規模事業者の資金繰りを支援するために始まった融資制度です。当初は日本政策金融公庫や商工組合中央金庫などの政府系の金融機関が融資を行っていましたが、想定以上の申し込みがあり、制度開始から2か月後の5月からは民間の金融機関も融資を手掛けられるようになりました。
コロナ融資はゼロゼロ融資とも呼ばれています。それは、コロナ融資が実質、無利子、無担保の融資であるためです。コロナ融資は、中小企業基盤整備機構が行う特別利子補給制度を利用すると融資後3年目までは、金融機関に支払う利子を国や都道府県が負担し、万が一返済ができない場合も信用保証協会が保証するため、担保なしで融資を受けられるというものでした。
民間金融機関のコロナ融資は2021年3月に受付を終了し、政策金融公庫等の政府系金融機関の受付も2022年10月で終了しています。
コロナ融資の新借換え保証制度が生まれた背景
コロナ融資の新たな借換え保証制度は、2023年1月からスタートしています。この新借換え保証制度が誕生した背景には、想定よりも新型コロナウイルスの影響が長引き、なかなか事業が回復せず、資金繰りが悪化した状態のまま返済猶予期間が満了してしまう企業が多いという現状があるためです。融資が返済できない場合は、融資の借換えや返済延長、リスケなどを検討しなければなりません。今回の保証制度は、そのようなニーズに応える形でコロナ融資の返済負担を軽減することを目的として創設されました。
コロナ融資の貸付実績の総額は、2022年9月末までに42兆円に上るとされています。しかしながら、日本政策金融公庫の同時点の返済実績は22%程度となっており、それほど返済が進んでいません。コロナ融資の返済が本格化すれば、多くの中小企業の資金繰りが悪化する恐れがあります。今回スタートしたコロナ融資の新借換え保証制度は、借り換え時の信用保証料を大幅に引き下げ、資金繰りに苦しむ事業者をサポートする制度なのです。
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コロナ融資の新借換え保証制度と利用要件とは
コロナ融資の新借換え保証制度の概要と利用する場合の要件をご紹介します。
コロナ融資の新借換え保証制度の概要
コロナ融資の新借換え保証制度では、民間ゼロゼロ融資の上限額である6,000万円を上回る1億円までが保証限度額となっています。新借換え保証制度を利用した場合、事業者負担となる保証料を0.2%等に抑えることができ、補助前の0.85等%に比べると大きく保証料を削減できる内容となっています。
<コロナ融資新借換え保証制度の概要>
保証限度額 1億円
保証期間 10年以内
据置期間 5年以内
金利 金融機関所定
保証料 0.2%等(補助前は0.85%等)
取扱期間 2024年3月31日までに信用保証協会に保証申し込みがなされたものが対象(予定)
コロナ融資の新借換え保証制度の利用要件
この新借換え保証制度を利用するためには、次の①~④のいずれかに該当する必要があります。
- セーフティネット4号の認定(売上高が20%以上減少していること。最近1か月間(実績)とその後2か月(見込み)と前年同期の比較)
- セーフティネット5号の認定(指定業種であり、売上高が5%以上減少していること。最近3か月間(実績)と前年同期の比較)
- 売上高が5%以上減少していること(最近1か月間(実績)と前年同月の比較)
- 売上高総利益率/営業利益率が5%以上減少していること(③の方法による比較に加え、直近2年分の決算書比較でも可)
また、金融機関による伴走支援を受けられることが前提であり、経営行動計画書の作成も必要となります。
コロナ融資の新借換え保証制度のポイント
新借換え保証制度は、ゼロゼロ融資からの借換えだけでなく、他の保証付き融資からの借換えも対象としています。また、借換えだけでなく、事業の再構築のために必要となる新たな資金需要にも対応するものとなっています。
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今回の新借換え保証制度は、中小企業のコロナ融資の返済負担を軽減するものではあります。しかしながら、根本的な事業の立て直しや財務の改善をしていかなければ、本当の意味での企業の成長にはつながりません。
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まとめ
民間の金融機関からコロナ融資を受けている企業の返済が2023年7月以降から本格化しています。しかしながら、中小企業ではコロナのダメージからまだ思うような業績の回復ができていないところも多く、返済できない企業が多数発生すると考えられています。そのため、今回、新しい借換え保証制度が誕生しました。
コロナ融資の新借換え保証制度は、借り換え時の保証料を大幅に減額できるものです。新保証制度を利用すれば返済負担は軽減しますが、業績が回復できなければ真の意味での資金繰りの改善にはつながりません。
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